シャンディとななな
公園
夜の深い中、公園に残された前川なななは膝を地面につけて、動けなかった。
自分のしたことは八つ当たりと言われ、何も力が出なかったのだ。
暗い公園を街灯がさみしくてらす。
聞こえる音は草に隠れた虫の声。
なななは、うつむく。
わかっている。
誰かを動物が傷つけていてその感覚も。
自分の出現させた動物が倒されたことも。
「…ごめんなさい、ごめんなさい…」
誰も聞いていない。
届くこともない。
そこへたたっと、音がした。
なななは、顔を上げる。
そこにはとがった耳。黒色の毛並みで頭が大きく、体の小さい姿の動物がいた。
首元に顔を寄せてきて、なななは動物の頭をなでる。
「…ごめんね、私…っ…」
動物は何もいわず、そばにいた。
「この子がここへ連れてきたんだあ」
なななは、聞いたことのない声のする方を見る。
青色のローブを来た誰かがいた。
「もうっ!この子人に飛びかかろうとしてたんだあ!まったく」
腰に手を当てて変わった話し方をする。
「私はシャンディ、よろしくだあ」
「あ…」
なななは、何も言えない。
「それじゃあだあ」
シャンディは後ろを向いて行ってしまう。
と、思ったら振り向く。
「もう使われない小学校をいろいろなことに使ってる場所があるんだあ、そこのえーとと?なんだっけ?」
シャンディは「ん?」と斜め上を見て目を閉じ思い出そうとする。
「あっ!」
思い出したのかビシッとなななを指さす。
「セツナの部屋へと行くのもいいかもだあ」
「…?」
「あー、セツナっていう人はいないんだあ、扉にそう書いてあるんだあ」
「…えと…」
「そういうのはそこがいいんだあ、あっ、1階の広い玄関の左側の黒板にどこか書いてあるから見ていくんだあ」
「…行って、なにかあるんですか…」
シャンディは動物の方を見て同じことをいう。
「そういうのはそこがいいんだあ」
シャンディは言うだけいうと、行ってしまう。
後ろ姿が闇に見えなくなるまで見つめた。
なななは、なんとか立ち上がると、そこへ行くことにした。
「…私も、その誰かと同じことをした…本当は、私も同じ目にあわないと、だよね…」
なななは、隣の動物を見る。
動物はなななをじっと見る。
なななは、動物の口の中へと手を入れる。
「思いきり、口を閉じて」
動物は言われた通りにした。
が、少し、動物は力を緩めた。
そのため、手の甲に牙が突き刺さったが、貫通はしなかった。
だが、激しい痛み。
ぽたりぽたりと赤が地面に落ちていく。
なななは、歯を食いしばる。
「っ……………!!…私は、人を、傷つけた……だか、ら、私は痛い思いを……………っ!しな、ぃなんて………ゆるされるもんか…っ……………!」




