メモリーとかいと さら 15
メモリーリーンが消える。
メモリーはそれに何の表情もしない。
俺は下を向くと、手を見る。
何だか、透明に?
なってきてるような?
俺と桜子は体が薄くなる。
俺の方が先に消えていく。
「桜子!」
桜子は。
「かいとくん………守ってくれてありがとう………うれしかった……でも……………ううん、ありがとう」
桜子は泣きそうな顔で笑った。
____
桜子はまだ残る。
メモリーは桜子を見つめる。
「さくさく…………」
「…………なんでもないの……ただ」
かいとの傷ついた姿に苦しみ、そして。
桜子はメモリーリーンのことを思う。
何だか…桜子は自分みたいな気がしたのか、悲しそうにする。
メモリーはいう。
「さくさく。さよなら……」
「うん、さよなら。メモリーさん」
桜子とメモリーは同時に消える。
____
俺は元の場所に戻る。
そこで、俺は目を覚ますとさらがいた。
「起きた?そう、じゃあ、大丈夫だったみたいね」
俺はベンチに寝ていた。
俺は起きる。
「さっきのって!?」
メモリーは俺の方へ。
「かいかい。ありがとう。メモメモはいえないこといってくれてありがとう……」
「いや、さっき……」
メモリーはさらに手を掴まれる。
「帰るわよ。メモリー」
「え、さらさらーもう!?」
「かいとくん。あ、ありがとね。また話しかけるかもだからじゃあね」
「メモリー!?さらさん!?まてよ!?……だから、説明みてーなの!?………行っちまった…」
俺は………
行ってしまう二人を追いかけない。
俺も帰ろう。
ガクリと膝をついてしまう。
痛みがある。
肩とか、噛まれてたもんな……あ、でも。
俺には傷とかないや
……………
彼女。
メモリーリーンは俺に残った。
消えても、俺の世界は続く。
ひどいことをいってしまった。
でも、嘘つけない
俺は空を見る。
空はいつものように雲があり何も変わらない。




