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メモリーとかいと3
俺は、それでもメモリーへ話しかける。
「聞いてくれ、どこなんだ、ここ」
メモリーは膝をつくと、地面に人差し指で触れていく。
「かいかいの記憶の中」
「何、してるんだ?」
「探してるのーかいかいの記憶の中のメモメモを」
「?どういうことなんだ?」
「かいかいは待っててー。大丈夫!すぐ終わる」
地面にさわっていくと次は立ち上がり、その辺をウロウロとしながら空中に人差し指で触れる。
「いないなー。メモメモ」
「メモリー。教えてくれって」
メモリーは俺を見る。
「かいかいの中にいるメモメモを探してるの」
「俺の中って?」
「かいかいの中じゃないかー?」
俺はどうしたらいいんだろ。
待ってればいいのか………?
ズキンッと頭が痛む。
「…………いっ………つ……」
メモリーは俺を見ると心配そうに俺の元へ。
「あ、ごめんね!かいかい」
メモリーは俺の背中をなでる。
俺はこの痛みは。
頭じゃない………?
これは、
「かいとくんに何してるの?あなた」
俺とメモリーの前に現れたのは。
黒く長い髪の少女。
桜子だ。




