せなとうわさ1
「いつきさん、辻さん元気でしたか?」
陸は質問してきた。
いつきは答える。
「はい、元気でした、ゆらさんからすごいのが見れるとは聞きましたが、あんなにとは…」
「僕も最初驚きました、今は慣れてきたので、花に埋もれるのも、悪くないです」
「陸さんもうもれたんですね」
「はい、今回は行けなくて残念でした」
陸は他に依頼はあるが、あまりかぶらないように調整はしているとのこと。
「あの、そっちの依頼って解決しましたか?」
陸は目をそらしていう。
「まだ、ですね…」
「そうなんですか」
「すみません、今日プリントとか持って行くんでした!先行きますね!」
「あ、はい」
「失礼します、いつきさん!」
「いってらっしゃいです」
陸と別れ、学校へとつくと、くつを変えて広い玄関を左へと行き、廊下を進む。
教室へ向かう途中、女性が歩いてきた。
とても綺麗な女性であった。
いつきは気にはなったが、教室のはじっこへと行く。はしが席のため、目立つこともなく平穏。
いつきは目立つことが好きではない。
席で静かに座り、昨日の宿題なんだっけなどとリュックからノートを出す。
そこへ、同じクラスのせなが来る。
「おはよう、いつきさん!」
「おはよう、せなさん」
二人とも同じクラスになり、話すようになった。
「いつきさん、聞いた?」
「え?」
「うわさなんだけどね」
いつきは静かに話を聞く。
「2年生の教室前の廊下に、なんか、いるとか」
「なにがいるの?」
せなは人差し指を曲げて、口元に置く。
「なにかは分からないけど、なにかがいるんだって、なんだろうね!」
せなはどこかわくわくしてる。
いつきは質問する。
「いつ出るの…?」
「んーとね、夜、誰もいなくなってからだって聞いたよ!」
「でも、それなら入れないんじゃ…?」
「先輩が忘れ物を取りに来て、夜の警備の人に開けてもらって、その時になにかいたんだって、でも、先輩だけが気づいたんだって」
「それ、本当に?」
「うわさだよ!すごいよね!なにかってなんなのかな!?未知との出会い、わあ!楽しそう!」
いつきは不安そうにいう。
「せなさん、あの、行かないでね?…」
「私そんなことしないよ、もう、心配症だね!いつきさんは!」
「いや、しそうだから」
「しないって!さすがにだよ!」
しないとは思うけどなんとなく心配になったいつきだった。




