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クロリネ
クロリネと話すかいと。
クロリネは話し続ける。
話したいことが多くあるようだ。
一番は桜の話しがしたいようだ。
かいとは不思議だが、何とかその話をしないようにする。
「かいと様。本当の姿の桜様と会わせてください。お会いしたいです」
かいとは無視をすることにした。
無視をすることはよくない。
けれど、話せば更に興味を持つ。
まだまだ話したいことがあるようだし、帰れないかもしれない。
「………」
「話さないですか?いけないですね。話している方を無視するなんて」
「…………ぷい」
「かいと様、かいと様、話しましょう。分かりました。他の方にも聞いてみます。それでは先程あなたのお部屋にいた方から…」
「待った待った!」
「では。もっとお話しましょう」
クロリネはかいとを離さない。
「離しません!あなたと話がしたいからです」
ドキッとするような言葉。
だが。
クロリネは続ける。
「桜様のお話をもっと聞きたいです」
「そんなに聞きたいのか!?もういいだろ!?離してって!!!」
かいとは困る。ずっと困り続ける。




