かいと クロリネ
かいと、クロリネは公園にいた。
珍しく誰もいない。
クロリネは笑う。
「それでは桜様のとこお聞かせください」
かいとは答える。
「桜って誰だ?し、知らないよ!?」
嘘をつけないかいと。
彼の嘘をついていることがクロリネは分かる。
「嘘ですね。分かりますよ。嘘をつくことは悪いこととはいいません。ですがこの嘘は桜様に関係すること。答えないと桜様のお立場が悪くなりますよ。悪い者として扱われます」
かいとは急いで話す。
「さ、桜は……みんなをいつも守ってくれる、だから、だから!何のために聞いてるか分かんないけど!桜は!悪いものなんかじゃない!!」
クロリネは笑う。
「ええ。分かりました。ですが…歪みを感じます」
「え?」
「桜様。黒色の桜が現れてませんか?僕は桜様をどうにかしたいのではありません。桜様のことを知りたいのです。危険か。そうではないか。それだけです。それを見せてほしいのです」
「見せ、る?え、どやって」
「そこは考えてください」
かいとは悩んだ。
どうしたら、どうしたらと。
かいとは考える。
クロリネは静かに待つ。
笑顔でクロリネは待つ。
かいとは考える。
どうしようと。
「あ、あの…どうやって見せれば」
「そうですね。では…」
クロリネはかいとへ笑顔を作る。
「桜様。聞いていますか?桜様が現れないとかいと様に何するか分かりませんよ」
クロリネはかいとへ向かって、手を出すと。
氷を現した。
「凍らせるかもしれませんよ?」




