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現世界 青命屋敷 その後12
現世界
青命屋敷
作 拓前
青命屋敷の廊下に二人がいた。
作と拓前。
兄弟である。
拓前はあわてていたが。
作と二人きりになり、いう。
「あ…兄ちゃん……あの、あのし…何でもないし!」
作は少し静かにしてからいう。
「拓前。大きくなったな。それに、気づかいもしていて……」
作はそれ以上言葉が続かないが。
拓前は喜ぶ。
「兄ちゃんにほめられてうれしいし!で、でも気づかいとかまだまだで、でもでも、あの、俺、兄ちゃんと会えない時間長くてさみしかったし…でもでも!兄ちゃんのこと考えてたし…」
「一緒にいなかったのに…?」
「だって、兄ちゃん。俺の話聞いてくれるし!」
「話していて無視とかはしないだろ」
「そういう人もいるし!兄ちゃんは話ちゃんと聞いてくれて!今も好きし!」
作は驚く。
静かにいう。
「そっか……」
「俺、俺、兄ちゃん、かっこよくてし…憧れて、話し方やっぱ静かなんだし」
「何も話すことが浮かばないだけだ」
「それがいいんだし!うわー…兄ちゃんやっぱかっこいいし」
作は静かに聞いていた。




