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陸と仁

陸の放課後。

彼はお団子ヘアにひし形の髪飾り。

制服を着ている。

姉のようにありたく、けど。

自分として見てほしくもある。

複雑な気持ち。


「…」


自分から誰かを見つけようと思う彼は。

これからどうするのかはわからない。


陸は一人住宅街を歩く。

静かに歩く。

学校から遠い場所の住宅街を一人で歩く。

知っている人がいるのは苦手だ。


「…」


なんて、歩いていると。


「いたな!お前!」


大きな声。

驚く声。

目の前に。


仁がいた。

優谷仁。


陸と戦っていた相手。

陸に対しては。

多分、敵意を向けてる。


「お前!戦え!!」


突然、拳を向けられる。

陸はひょいと右に避ける。

仁は苛立つ。


「よけんな!」


陸は困り顔。


「あ、あの………仁さん」


「俺は負けてねーんだからな!」


仁は拳を向けてくるが、陸は、避けていく。

仁はただ、陸を狙うだけでそれのみのためか陸は避けやすいようだ。


「よけんなっつってんだろ!!」


陸はあわあわとする。


「や、やめませんか?その……ここ!住宅街です!」


「誰もいねーなら!いいだろ!」


陸は「え」という顔。

陸は、戦うことはあまり好きじゃない。

ので、


「僕はその、用事があるので、行きます!」


陸は。

戦ってくる相手から逃げるのは失礼だとは思うが、逃げる。

失礼でも、戦う理由とかない。

あの時は桜子を守りたいという気持ちがあったから戦った。

今は違う。

理由ないのに、戦いたくない。

逃げることは失礼で背中を向けることはよくないことでも。

陸は逃げることを選んだ。

が。


「逃がさねえ!」


陸の前に、仁がバッと出る。


「な、」


陸の腹へ向け、拳を入れようとするが、陸は自分の右手で仁の腕を掴む。

ぎゅうと握ってしまう。


「逃げんじゃねえよ」


「逃げたのは…すみません、あの………………」


陸はいいづらいことをいう。


「暇なんですか?」


仁は、ビキッとどこかがきれる。


「暇じゃねーし!悠磨さんと戦いてーのに………何でもねえよ!」


仁は何かいおうとしていわない。


「力があるお前を倒して!俺は!」


仁は掴まれた腕を離すために、陸の腹へ足裏をぶつけると、手が離され仁は後ろへと下がる。


「俺は、力がないから力のある奴を倒すしかねえ………そうじゃねーと…!」


焦りが顔にうまれる。

陸の表情に気づいた陸は。

陸は前を向くと。


仁へと向かう。

仁の肩に手を置くと、陸は右膝を曲げ、思いきり仁の腹へ膝をぶつけようとしたが止まる。


「…………僕は、甘い奴です。そんな奴を倒したって…あなたの力にならないです」


仁は焦る表情のままだ。

陸は冷たい目をする。


「あなたと本気になって、戦う人と戦う方があなたのためになると思います」


仁は、声を出す。


「じゃあ、お前が本気で俺と戦えよ!」


「え、あの僕は……」


「お前のとこ来るから………本気で戦えよ!」


「え、………え?」


陸は困る。

が、仁の目の強さに。


「分かりまし………た?」


といってしまう。


「なら!今から戦え!!」



「…………………え。え………?」


陸と仁という不思議な関係が始まっていた。

……………

陸は困り顔でいた。

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