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現世界 青命屋敷外894

現世界

青命屋敷外

拓前

遂げたシルベ


拓前は兄の作を抱きしめ離さない。

抱きしめて離さない。


「作兄ちゃん…!離さないし!やだし!兄ちゃんと会いたかったし!会いたくて会いたくて…ずっと会いたくて…!!」


作は反応出来ない。

何をいえばいいのか。

泣いている。拓前のなく姿に無表情だ。


「拓前……」


拓前は笑顔だ。


「作兄ちゃん、会えてうれしいし!!」


作は頭を撫でてみる。

拓前の力が強い。


「拓前。力強いな…たくましい…?」


「俺、強くなれば作兄ちゃんに会えるかもってし、でも、でも、どうもできなくて、俺し…」


作は顔を振る。


「しなくていいんだ。俺は拓前が俺のことを忘れて生きてくれればそれでいいんだ…と思ってた…でもここへ来てしまった」


「忘れるなんてしないし!これからもしないし!どうにか、出来なくても忘れるはしたくない…したくないし」

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