かいと、草太、数秋4
かいとは、思う。
_お礼をいわれるとは……
上を向く。
「いや、もう気にしてねーし…」
かいとは上を向いた。
数秋はにこっとする。
「本当にごめん。かいと」
「あ、ああ」
彼は、一度後ろを向く。
「なんて、いうと思いました?」
数秋は「はははっ」頭に手を置き笑う。
「私。君のことが嫌いなんですよ。私のきれいな顔を殴った君が気にいらないんです。今も、君をずっと見てしまう」
かいとは固まる。
_え
「君のことが嫌いで嫌いで嫌いなのに、君のことを見てしまう。何なんですか、これは!私の方がきれいなのに!」
かいとは。
_え
数秋は自分の右頬を手のひらで包む。
「幼いときのことなのに!きれいな私を殴った君を忘れられない!もう見るのをやめようと思うほど嫌いでたまらないんです!!」
かいとは固まる。
「朝も昼も夜も………私は自分が美しく好きだったのに!君が現れた!嫌がらせをしたのも君が見てくれるから!嫌な顔でも私を見てくれる!ああ………嫌いなんだ、君が、君が嫌いなのに!」
かいとは何が起きてるかわからない。
なんなんだ。
一体。
数秋は、上を向く。
「どうして、自分だけを思ってたのに!君が………君を嫌いなせいで!」
かいとは、いう。
「え?え?と?」
数秋は。
「目障りなんですよ。かいと」
「なんなんだ。お前」
かいとは困る。
謝っていたのに笑ってる。
意味がわからない。
数秋はかいとの近くへと来る。
かいとは、下がる。
「逃げないでください」
かいとの頭へふれると。
数秋は。
「少し、眠るだけです」
「は?」
かいとは、急に眠くなった。