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現世界 青命屋敷 青標食 現ツミウ849
現世界
青命屋敷
青標食 現ツミウ
青標食は隣にいる現ツミウを見る。
彼女に手を握られたこと。
それは、優しさじゃない。
けれど温かさをくれた。
誰も気付かない、見えない場所に灯りをくれた。
誰も気付けない
そこに現ツミウはいてくれた。
ずっと近くにいた。
それがどれだけ温かかったか。
誰も知ることのない場所にいてくれた彼女。
そこから離れず見守ることをしてくれた。
__ツミウ。私はそろそろ溶ける
現ツミウは青標食の言葉に分かりやすく眉を下げる。
「溶けてしまうのですね……名の分からない方たちを受け止めて……」
現ツミウではなく
青標食へ名の分からない者たちが攻撃する。
__私たちが受け止める。ツミウは想って行動してきた。だから今は私たちが動く
「あなたは私を憎んでいないのですかね?」
__憎むわけがない。あなたを憎むなんてしない
隣でイロノルレフ亜は口を出す。
「まだっ?お別れと感謝は終わったっ?」
現ツミウはその言葉にいう。
「お別れなのですかね…」
お別れ。お別れのようだ。
青標食とお別れなのだ。
現ツミウは声が出る。
「……やだ………お別れ……したくない………」




