色葉といつき
いつきは、色葉の隣にいた。
いつきはにこーっとする。
_色葉が隣にいてくれるってうれしいな
色葉はいう。
「でね、昨日帰ったら、電気がつかなくて、一人でうろうろして、ぶつかったりしてたの」
「え。ケガしたの?大丈夫!?」
「少し、腕をぶつけただ……」
「腕…どっち?!」
色葉は自分の手を見る。
「右かな?少しだから大丈夫だよ」
「右…!どんな感じ!?痛くない?」
いつきは自然と右腕にさわる。
色葉はにこっとする。
どこか、優しい顔でいつきを見る。
「いつき。大丈夫だよ」
「でも」
色葉はいつきの心配している顔を見つめた。
そこへ、遠くがざわざわとしている。
ん?とする。
色葉がいう。
「あれ?珍しいね」
「どうしたの?」
いつきはそっちを見てみると
誰かがいる。
金色のきれいな少年。
隣には男子生徒がいて、一緒に歩く。
いつきは思う。
_あれは!
私が転んで助けてくれた人!
いつきは色葉へと聞く。
「あの人って?」
色葉は静かに答える。
「森数秋さんだって。かっこいいんだって」
いつきは目を横にする。
「今まで気づかなかった…」
「いつも、遅めに来るのに今日早いね」
「そうなの?」
「もてるから早く来ないのかも、知らないけどね」
「なるほど…」
女子生徒の中で彼に話しかける人もいる。
挨拶みたいだけど。
_もてる人って大変なのかな?
わかんないけど
いつきは色葉へと聞く。
「色葉は、かっこいい人…好き?あの人みたいな」
「うーん、かっこいいとは思うけど…そんな好きとかはないかな」
「なんで!?あの人の方がかっこいいよ!?」
いつきは彼を見る。
女子生徒たちは彼をうっとりと見つめる。
_たしかにかっこいい。みんなうっとりしてる
?あ。あの隣の男の子。
兄さんに話しかけてた人だ
色葉はあまり興味なさそうだ。
いつきは、かっこいいなはあるけどそれ以上に思うことはなかった。
「いつき、行こ。そういえば、いつきはなんか料理とかする?」
「うーん、最近は………野菜炒めかな、料理がしやすいのが売ってて、使ってるときあるよ」
「そうなんだ、料理とか好き?」
「食べるのは好きだよ!」
「…………ふっ………あはははっ。わかる。食べるのは好きだよね!私もだー」
色葉はまだ笑っている。
いつきはいう。
「だって、私作ると、粘土とか………」
「粘土?」
「麺類とか、しようとしたら…………失敗して、粘土の味が…」
「食べてみたい!いつきの料理」
色葉は笑いながらいう。
「うー。そんなに笑わなくても………」
「ごめんごめん」
二人は学校へ向かう。