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似世界 クロリネ 時恋782
似世界
クロリネ
時恋
クロリネは話を続けている。
「はい。分かりました。このクロリネさん。帰ります。誰か一人でも喜んでくれるならちゃんと帰ります」
クロリネは笑顔で答える。
相手に顔は見えなくても笑顔は絶やさない。
時恋がクロリネの近くに来る。
クロリネはその姿を見るという。
「はい。では失礼します。はいはい。帰りますよー嫌われ者の僕が帰りますよー」
クロリネはにこやかに笑う。
時恋は静かに話す。
「あ、ごめん、話してた、のに、」
「いえいえ。楽しいお話しです」
「なら、あの、」
「あなたはどうして僕についてきたのですか」
「どうして、この世界、シルベたち、会いたくて、でも、ここ、いる、」
「そうですか。どうぞ。僕は気にしませんので」
時恋はクロリネの近くにいた。
「あ、うん、」




