似世界 空間 クロリネ781
似世界
クロリネ 時恋
クロリネは落ち着いている。
三日月の存在は消えた。
赤の瞳の怪物もいない。
クロリネは歩く。
連絡が来たことに気づきながら歩く。
連絡に反応しようか悩む。
少し時間が経ってから口を開ける。
連絡をしてきた相手と話すことにする。
「はい。クロリネさんです」
クロリネはニコリとする。
「はい。はい。壊れた空間は自分でも直そうとしています。なので更に壊れることはないと思います」
そんなクロリネの隣に時恋はいた。
時恋は会いたい者がいた。
クロリネは話す。
「終われば帰ります。あ。僕が帰るのはあまりよくありませんか?笑ってしまいます。嫌がられるなら嬉しいですね。嫌がらせにしっかりと帰りますよ。帰ってこいですか?あなたは僕たちを待ってくれるのですね」
クロリネの話す隣で。
時恋はある二つと顔を合わせる。
この似世界のシルベと航坂である。
似世界のシルベは時恋の姿を見てからいう。
「時恋。これからどうするるて?もうあのシルベたちはいないるて」
時恋は静かに答える。
「時恋、シルベ、と、消えたい、思ってた、でも、やめる、時恋、」
時恋は似世界のシルベへ真っ直ぐにいう。
「時恋、空間、外、行く、何する、決めてない、でも、行く、」
似世界のシルベはいう。
「そうかるて………なら別れるて。さよならるて」
時恋は静かに頭を下げる。
「さよなら、シルベ、航坂、」
時恋は別れの言葉だけ伝えた。
まだ空間へは向かわずクロリネの方へ戻る。




