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似世界 かいと メモリーリーン780
似世界
かいと メモリーリーン
かいとは花が降る光景の中にいた。
メモリーリーンは走ってくる。
「かいかい。これからどうしようか。ここを出ないとだよね」
メモリーリーンは辺りを見る。
空間は少しずつ直っていく。
「かいかい。あ…………」
メモリーリーンはハッとする。
「誰かの気配感じる、こっち」
かいとはメモリーリーンについていくが。
後ろを向く。
静かにいう。
「俺は憎んでもいい。だから、誰かは傷つけないでくれ」
この言葉は届かない。
届かないと思っても
かいとは口に出す。
メモリーリーンは急ぐ。
これは拓前の気配。
だけでなく他にもいる。
「たくたく?だけじゃない。誰かいる」
かいと、メモリーリーンは急ぐ。




