月葉といつき
いつきは、歩いていて。
はっとする。
カバンを屋敷に忘れた。
_カバン!
戻ろうとするが、歩くのがゆっくりになっていく。
_戻ったら迷惑では…
また来たとか………
いつきは、人との関わりが苦手すぎるところがある。
普通に話しているように思えるが、なぜか人と関わるのが苦手。
多分
本当は
苦手すぎるほど。
それがいつき。
_戻っていいのかな、いや!カバンいるし!
いつきがうつむいてると。
「いつきお姉ちゃん?」
後ろから声が。
いつきはそっちを向く。
「いつきお姉ちゃん何してるの?」
月葉だ。
いつきは、月葉を見て、思うは。
かわいい。
かわいい。
それのみが浮かぶ。
月葉はにこっとする。
「何してるの?」
「…月葉ちゃん…」
_カバンを取りに行きたいけど行くのが不安とかいえないし!
「私…有理架さんのとこに行こうって」
_嘘はついてない!うん
月葉は眉をピクリとした。
月葉の目が鋭くなる。
「そっかー。いつきお姉ちゃんは、強くなるふりしてるんだーそっかー。頑張ってね?」
かわいらしい声で嫌みたっぷりにいわれる。
「う、うん」
いつきは静かに頷く。
月葉は、通り過ぎる。
すれ違いに。
まっすぐにいつきの目を見ていう。
冷たい目。
「弱い奴は大嫌い」
冷たい目から月葉は柔らかくにこっとすると、行ってしまう。
いつきは、本当のことのため、何もいわない。
月葉には嫌われている。
でも、嫌われるのは…………………悪くない。
よくないけど……………悪くない。
いつきは、弱いといわれたのは少し傷つくが。
「…………………………」
月葉の後ろ姿を見つめる。
_だめだ…………悪くいわれたけど………でも……………でも…………
いつきは変わってる。
誰かに好かれないし。
嫌われることはなぜか多かった。
でも、月葉に嫌われることは……。
悪くないと感じてしまう。
_あんまりこういうこと思っちゃだめだけど…嫌われてばっかりだったからかな