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いつきとボタンの女性

「あの、ネットではそのボタンのせいでよくないことが起きたって」


「あら、そうなの?」


いつきはどうしようと悩んでいると後ろから誰かくる。


「あらあらぁ?いつきさんじゃない?何してるんですの?」


この声は。

いつきは振り向く。

そこにいるのは金髪の髪を右横にツインカールにしていて、ピンク色のミニドレスを着た少女。


「こんなところで何してるのかしら?」


「あ」


女性はにこっとする。


「お友達?私は失礼するわね」


女性が行ってしまう。

金髪の少女はこちらへと来る。


「こんなところで出会うなんて_…」


いつきは大きく声を出す。


「花宮さん!あの人、赤いボタンの人です!つかまえてください!」


いわれた花宮有理架(はなみや ありか)は、質問する。


「あの異世界ボタンの?」


「はい!多分」


「間違えたら嫌ですわね…まあ、いいですわ」


有理架はたっとピンクのミニドレス姿で走り出すと、女性を追いかける。たたたと、速い。


女性は後ろを見ると少女が追いかけていて、立ち止まると笑う。


「何かご用かしら?」


有理架はいう。


「今あなたが異世界ボタンを渡してる方とお聞きしたのですわ」


「そうね、今あっちの子が叫んでたわね」


「で、あなたですの?」


「さあ?」


いつきがくる。


「絶対この人です」


「あら、受け取らなかったあなたは誰かしら?」


いつきは何も答えない。


有理架は先に動き、女性へと拳を向ける。

が、女性は拳をそっと受け止める。


「女の子がそんなことしないの」


にこりとした。

有理架が後ろへと下がろうとするが、捕まれた拳が動かない。


「なんですの!?この力」


女性は有理架の拳をつかんでいたが急に離す。

有理架はなんとか離れようと力を入れていたため、急に手を離され、後ろへと倒れてしまう。

いつきは手はあわあわとさせたが、有理架は地面に尻餅をつく。

すぐに立ち上がる。

眉をひくひくさせていう。


「なんなんですの」


女性はにこにこしてる。

更に腹立ちが増して、有理架は飛び込むように拳を向け、ひょいとよけられる。


いつきは動かずに見守る。


「もう!なんなんですの!?あなたは!いつきと同じくらい腹がたちますわ」


いつきはつい、いう。


「私にそこまで腹がたつんですか!?」


有理架は拳を向ける。が当たらずよけられる。

女性は赤いボタンを取り出すと怪物を出現させる。


「怪物…っ!?」


いつきは怪物の姿に体を震わせた。

ボコボコとした体に腕と足がついている。

顔はわからない。


有理架はつぶやく。


「怪物、ねえ」


いつきが動けないでいて、女性はたたっといってしまう。


「もうこの辺には当分来ないわ、さよなら」


有理架は叫ぶ。


「はあ!?待ちなさ…!」


怪物が拳を向けてくるため、有理架はよけると、地面に当たり、ヒビが入った。


「こんなとこに出てくんなですわ!」


いつきは何もできず、とにかく遠くに行くしかない。

が、携帯を取り出すと、どこかへと電話する。




有理架は怪物から逃げるように少し走る。

怪物は追いかけてくる。

よたよたとはしてるが有理架を狙っている。


有理架はピタリと止まると後ろを向く。 

怪物は腕を伸ばす。



_グサッと音がした。


怪物の腕にはツルのような形の長く伸びるものが刺さっている。

怪物の体に地面から生えるツルが絡んでいく。

そして、そのツルの先は針のように鋭い。

その針は怪物の体に突き刺さっていく。


有理架は腕を組む。


「あーあ、さっきの女をこれで捕まえてやろうと思ったのですのに」


そこへ、色葉が来る。

色葉は、怪物が消える時に来たため、有理架はいう。


「あら?色葉さん」


「いつきから呼ばれて、終わったんだね」


「ええ、わたくし一人で倒せますわ」


有理架は金髪のツインカールを揺らせ、いつきの前に立つ。



_パァンっと音が響く。


「力もないくせに、でしゃばってくるんじゃないですわ!」


いつきは頬を叩かれる。

痛いしか感情はない。


「弱いくせに、どうせ、自分ができることしようとしてとかの自己満足でしょう!?」


「色葉さんをよんでいることも気に食わないですわ!」


有理架は怒りを全て出す。


「自分でどうにかできないならするなですわ!!!!!」


いつきは何も言い返さない。

有理架はもう一ついう。

色葉の方を向く。


「色葉さんもそう思っているでしょう?」


それだけ言い残して行ってしまった。


いつきは静かに頬にさわる。

ひりひりしてる。

色葉はいう。


「大丈夫…?いつき」


いつきは小さく笑う。


「大丈夫です」


色葉は、何も言わない。


「色葉も同じこと思ってるよね」


色葉は正直にいう。


「少し…」


いつきは他人事のようにいう。


「“いつき”ならこうしてたから」


「いつき?」


いつきは急に色葉の手をつかむ。


「少し、だけ、少しだけ…いい、かな」


色葉はうなずく。

色葉はいつきが手を握ってきたが、そのままでいた。


「…」


「…」


その時間は静かに過ぎる。

いつきはそっと手を離す。


「あ…ありがとう、色葉…」


「それは、いいけど、いつき」


色葉はいつきの目を見る。


「あんまり危ないこととかしないでね」


「…うん」


いつきと色葉は別れた。


その後、赤い色の異世界ボタンは隣町や他の町などにも出現はするがあの女性はなかなか捕まらないらしく、だったが。ようやく捕まったとゆらから話がされた。


いつきはアパートから窓の外を見つめる。

外は夜で暗い。

カーテンはしてあり、少し、ずらして空を見る。


「何かしようとしても、しなくても世界には関係ないし、誰にも関係ないんだ…」


いつきはつぶやく。


「なにかしてもしなくても、世界は変わりなくまわっていく、か」


いつきは布団の中へと入った。

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