似世界 時恋635
似世界
時恋
_多くの道を行くシルベ
後悔しない道なんてあるか分からないよね
中には誰かに
悔しさがあるから何かをしたとしても
責められたり
途中で誰かと別れたり
分かり合えない、言葉が通じなくなる時もあったかもしれない
時恋は赤の物体とシルベの姿を見た。
「シルベ、なり、結末、」
シルベの結末のため。
赤の瞳の怪物を黒い刃で消していく。
時恋は拓前の破片を蒔いている。
空間が完全に破壊されることを何とか防いでいる。
遠くで時の式が起こり、そちらが傷がついた。
このままでは。
状況は良くない
時恋はそう感じていた
だが。
その状況を変えることが起きる。
時恋は黒の刃をピタリと止めた。
花びらが一層舞う
荒れる、ではない。
抱きしめるように
今度こそ、本気で想いを伝えるように
伝えられなかった想いを
柔らかく、荒れる
おかしな言葉だ
寄りそう花々は舞う
何かをこれから受け止めるためか
ようやく、ようやく
伝えられる、その時を待つように
待っていた
伝えられる、それだけが簡単じゃなくて
出来なくて
そんなためらいも花びらは感じさせる
時恋はまだ何も感じていない
けれど
時恋は自然に言葉が出た
不思議だ
不思議だった
「誰、この、想い、誰、?、ずっと、伝えたかった、?、」
時恋は何も感じてない
なのに
なぜか言葉が出ていた
「ずっと?、なに?、伝え続けたから、」
時恋は言葉が止まる。
何の気配?なのか?
予定しなかったことが起きている
誰?の気配なのか?
_伝わってほしい。伝え続けたあなたへ_




