似世界 空間の壊れた場所で(クロリネ 拓前 時恋)632
似世界
クロリネ
拓前
時恋
クロリネは氷を現し続ける。
クロリネは倒れない。
拓前は破片を蒔くことに戻る。
クロリネが自分のすることを止めてはいけない。
拓前はその作業を続ける。
クロリネは立ち続ける。
体が傾く。
氷を現し続けることは出来る。
だがとても長い時間続けている。
「…………………………」
クロリネは笑顔が崩れない。
が。
足下は少しだけふらつくが。
支える。自分で支える。
クロリネはそれが出来る。
だが、今ここには。
一人でも出来るが。
彼女を好きな彼女がいる。
クロリネは一人で出来る。
だが。
一人で出来る彼女を後ろから抱きしめた者がいた。
「来てしまった………一人で出来るよね……」
クロリネは笑顔だ。
「ええ。一人で出来ますよ。このクロリネは出来ます。あなたがいなくても」
氷が現れ続ける。
クロリネは抱きしめられても気にしない。
彼女を抱きしめるのはリアメラだ。
クロリネを一人で出来ると信じ、けれど心配して。
一緒なら近くにはいたい。
クロリネにリアメラは必要ない。
いらない。
いなくてもクロリネは自分で全て出来る。
けれど
いたいんだ。
近くに
いらなくても
いらないとしても
近くにいたい。
それがリアメラ。
_でも、本当に自分が危なくなる時も私はクーたんの近くにいるのか_
_醜い自分の弱い所_
_気づいてるんだろうな_




