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夜中 色々となぜか嫌いと思ういつきの話
いつきは目が覚めた。
まだ夜中。
いつきは目を閉じる。
思うことは
朝が嫌い
昼が嫌い
太陽が嫌い
明日が嫌い
話すことが嫌い
自分で考えるのが嫌い
心が嫌い
感情が嫌い
光が嫌い
夢が嫌い
変わることが嫌い
未来が嫌い
過去が嫌い
痛いが嫌い
これからが嫌い
またねが嫌い
人の目が嫌い
普通が嫌い
絶望が嫌い
希望が嫌い
涙が嫌い
笑うことが嫌い
泣くことが嫌い
好きが嫌い
明るいところが嫌い
嫌いなものばかり思う。
何もかも嫌いだ。
理由はない。
好きになれない。
どうしてか。
好きなのは。
夜が好き
月が好き
音楽が好き
歌をきくのが好き
…他は
昨日が好き
今日が好き
そして、本が好き
物語が好き
この世界にないものが好き
想像できないものを見るのが好き
嫌いが好き
いつきは目を開けると、右手を窓の方へ伸ばす。
何もつかめない。
ふれることもない。
(嫌いすぎて…嫌いすぎて…嫌になるな)
どうしてか嫌いだ。
嫌いばっかりだ。
嫌い
嫌い
嫌い
だけど、だけど…。
好きになりたいんだろうな。
全部。
いつか。
なんて、こないとわかってても。
(好きだよ…全部、好き…全部好きになりたい)
好きだと思える何かがあってよかったって
笑いたいな