似世界 青の羽根のシルベ596
似世界
青の羽根のシルベたち
似世界に辿りついたシルベ同士は出会い、話していた。
_ああ、恋を選んだシルベ、かるて
_他にも途中までそれでも何とかして進んだシルベかるて
_でもさ、何でそれしかないのるて?他の在り方ってないのかるて?
他の在り方の話を
途中までの、それさえも無い話を
どこまでも行けない自分たちの話を
_私たちは、八つ当たりなんだろうるて
_まあ、気に入らないからねるて
_まあ、腹立たしいるて。いや、気に入らない。ずるい。気に入らない
シルベたちは苛立つ。
_私たちは似世界のシルベを壊するて。
そうすれば、何もかも無いみたいなもの
_この考え方が悪いなんて思わないるて
_そう
青の羽根の前にいるのは
似世界の壊れたシルベだ。
「私たちを消したいんだるてね。潰してつぶしてしまいたいるて。やれるならやるるて」
壊れたシルベは余裕だ。
剣を持ち、青の羽根が飛ばされてくるため斬る。
「やるなら、やるでしっかりと潰せ、壊せるて。憎みを忘れていないだろうるて?自分という憎しみを。成せなかったことを」
_私は他の在り方も選んだ。けれど、
「だから何だ?そこから?まあ、私のことだるて。やはり、行き着くべき場所を無視したからだろう」
_必ずその場所じゃなくていいだろうるて!もっと別の!
壊れたシルベは笑う。
「どんな在り方でもよかったといえないなら」
彼女は黒く笑みを作る。
「無駄な在り方かもしれないるてね」
青の羽根はシルベの腹を突き破る。
壊れたシルベは笑う。
「そう、そうするんだるて。壊したいなら思いきり来いるて」
けれど、青の羽根は壊れたシルベに敵わなかった。
なぜなのか
それさえも果たせない
それさえも
なぜ
なぜ
青の羽根たちは散り散りに地面に落ちた。
けれど、
ここへ辿りつく者はシルベでありながら
様々だ
壊れたシルベを消す気のない者も来る。
その者がシルベたちはあまり好んでいない。
けれど。
何かを手に入れた壊れたシルベ。
恋を選んだシルベ。
その姿に苛立ちもある者もいる。
けれど。
それはそのシルベが選んだこと
誰も文句をいえない
けれど
眩しい
何を手に入れたか分からないシルベもいるため
まぶしい
__________
そのシルベたちを、今ここで全員をまとめる力をどうしても持つシルベは一人ずつ向き合う。
彼女は向き合うシルベだ。
愛したいを選んだシルベ。
このシルベが何を選んだとしてもなぜか、嫌な気持ちにならない。
不思議だ。
向き合うシルベはいう。
_私のことは気に入らなくはないるて?
_不思議るて。途中までも行けなかった私は腹立つと思った、でもあなたは嫌な気持ちしないるて
_うーん。私は………叶わないとしても愛したのは私だから………それに壊れたシルベを消したいと思ったのは………ただ、止められなかっただけるて
_私は八つ当たり、自分がどうにも出来なかったことへの
_壊れたシルベはそれを知ってる。別に悪いと思ってないるて。逆に向かってくると喜ぶるて
_…………それはそれであれるてね
とのシルベにも向き合った者がいた。
シルベたちはそれを思い出しつつ、現在。
赤の塊に向かい、壊せると思えた。
何かを果たす目的が変わっても。
果たしたい、何かを
_何を果たしたいのかも分からなくなる、でも、何かを…………るて
まとめる力のあるシルベは一人ずつに向き合う。
こんな会話をした。
_違う道でも私たちはシルベ。だから、それが悪いことでも果たすと決めたならやるしかないるて
_悪いことはいけないのでは?
_自分を壊そうとすることは悪いことと思えるるて?
………………………………シルベはクスリと笑う。
_自分を壊すことは悪いことじゃないるてね
自分を壊すことは悪いことではないらしい。




