現世界 彼岸花が結界へ込められる589
現世界
青命屋敷外
シルベ
結衣
現れる結界へ彼岸の花びらが埋め込まれていく。
シルベは流れるように自然に動く。
どうするか、ではなく
どうするか、もう分かる。
流れるように
次は花飾りへ触れる。
__好きを感じられない。何も感じない力
シルベは花飾りから伝わるものがある。
話されている、ではなく。
感じる。
__何も感じられない。何も感じない。何度自分が好きを伝えても心が分からない
__心を感じるふりは出来ても、どうやっても深くは感じられない。でもね……
花飾りからは更に伝わってくる。
__何も感じなくても
__いいとはいえないけど
__きっと感じてるよ。痛みとか。ボクよりちゃんと感じてるよ
__感じてるから。心感じなくても傍にいるから
遂げたシルベは胸がズキリとする。
心がズキンとする。
痛みがある。
痛みを感じる。
シルベはニッとする。
剣へ花飾りの力が吸い込まれる。
「私がいうのはだけど、あなたも面倒な人を好きになったるてね。まあ、私の好きな相手は面倒じゃないけどるて」
花飾りの力は剣を包む。
__あ、伝わった?
「来たるて。でも。結局何も感じられない人かるて」
__そんなことないよ。悲しい時の方が多いけど……………だからこそかな?ボクはだからいたいのかも
その力なら。
結界の力になる。
彼岸花。
花飾りの力。
そして、漂う存在たちが力になる。
シルベは次に結界の繋がる場所。
結界の繋ぎ目を剣で斬る。
自然に誰にいわれるでもなく動ける。
動くことが出来る。
何かをしても最後は痛みの中であると分かれば
動けるだろう
シルベはだからこそ、剣を持ち
斬ることが出来る
「でも。この精神じゃないと出来ないこともあるるて」




