現世界 青命屋敷外 遂げるシルベ588
現世界
青命屋敷外
剣
シルベ
遂げたシルベは結界の壊れそうで壊れない姿を見る。
「もう、考える場合じゃないるて」
シルベは三日月存在を斬る。
剣へという。
「私の前に現れたシルベも…不安とかもあったのかなるて」
剣は静かに答える。
“不安も悩みも無いと思えるか?”
シルベは静かに笑う。
三日月存在たちはその姿に目を奪われる。
とても静かで優しげな笑顔。
「よし、るて」
彼岸花と花飾りへシルベは手を向ける。
シルベはいう。
「力を使わせてもらうるて」
__うん。ボクもこの力も力になる
三日月存在が動けなくなり、シルベは走り出すと。
彼岸の花びらを軽く手に包む。
そうして、結衣の結界は光を帯びる部分がある。
そこへ彼岸の花びらを流れるように入れていく。
花飾りには分からない。
何が起きるのか
何をするのか。
でも分かることがある
シルベという者は必ずやり遂げる。
命なくしてもやり遂げる。
__やり遂げて。もうただ一人のためじゃないんだよね。ボクみたいに
もう一人のためじゃない。
愛した全てのために
愛さなかった全てのために
花飾りは現れている。
愛せないものは愛せない
自分と違う者は見たくない
そういいながらも
全てを愛せたらいいのになと。
愛せなかった何かもちゃんと向き合い、
それが出来ないと言葉にした
けれどやはり愛したいと思った
その誰かのためにならなくても
__愛さなくてもいいのに。愛せないものは
__全部、自分と違うものなんて無視したらいいのに
__でもあなたは違うよね。見たくないからこそ見ようとはする
彼岸の花は結界の光を帯びる場所へと入っていく。
花飾りはまだ、することがない。
__本当。なら、一緒に見ればいいね。嫌な時は目をそらして、でも。どうせそらさない。
__そういう所好きだよ
シルベは三日月存在が動き出し、斬りながらも彼岸の花を手で潰さないように包み、続ける。




