陸とミカオ2
陸は階段へと向かう。
階段からの声。
「声…何なんだろう」
陸は一人静かにしていると、そこへウサギパーカーの少女が来る。
「陸……」
「ミカオさん?」
陸の前にはミカオがいた。
うさぎのパーカー。青のズボン。
ぴょこんとした二つの耳が立つ。
「何してる?………陸」
ミカオは陸へゆっくり近づくと、陸の背中にくっつく。
「あの…どうしましたか」
「陸………なんか、安心する………」
「あ…そうなんですか」
陸はくっつかれたまま、階段を見る。
「…」
「陸…………何してる?」
「ここから声がするって聞いたので」
陸は階段の前で膝をつく。
「声…するかな?」
声がするといってたが、特に声はしない。
「ミカオさん、声とかしますか?」
ミカオは背中にくっついたままでうさぎの耳がぴょこぴょこ動く。
「こえ……しない……」
声はしない。
何も。
陸は後ろを向く。
「とりあえず、声がしないなら…」
ミカオはくっつきながら、耳が動く。
ミカオはびくっとする。
「……………!?陸………!」
陸は名前を呼ばれた。
「ミカオさん?どうしましたか?」
陸は後ろを向く。
階段の段差の部分が水色に染まっていく。
「!?」
陸は驚く。
「…な」
水色に染まっていく階段。
それと同時に何かの声。
「ぺらぺらぺらぺら」
陸とミカオの足下も染まっていく。
「な、何だ…………!?」
いう前に、ミカオのうさぎのフードに一本水色の液体が飛んでくる。
液体と思ったが、ミカオのフードを貫き、破く。
ミカオは陸の体を横脇に抱えて、よけていた。
フードの取れたミカオの頭にはウサギ耳ではなく、犬耳のようなものが二つある。
「………陸……あれ」
「ミカオさん、あの…」
ミカオは陸を地面へと置く。
「ごめん…………陸」
水色の液体は地面から飛び出す。
「ぺらぺらぺらぺら」
液体は、陸とミカオへ向かってくる。