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似世界 都合の良い現実の無い場所で565
似世界
都合の良い現実の無い場所で
似ツミウ
似ツミウへ蕾形槍の力が迫る。
「私を消すために来ましたね………。ですが。私は消えてられないのですね」
似ツミウは薄塗りの青色が溢れる中央で、水ではなく硬い四角形が縦横に並ぶ力を現す。
蕾形槍とぶつかる。
どちらも下がらない。
「私。消えられないのですね」
漂う者たちが槍を包む。
そうするとその力は無理矢理に押さえつけられる。
_使わせてもらいます
_その力は使わせてもらいます
_私たちが使います
押さえつけられる。
似ツミウはけれど、絡まる力はどうにか出来ないことが分かる。
漂いたちはハサミの姿の者。
この存在を無理矢理力に変えた。
_守りたかったんですね………
_なら、私たちが力に変えます
_僕たちがその気持ちを………どうにか出来ますか?
_僕たちは出来ないことばかりです
_出来ないです。でも、どうにか
ハサミ存在は都合の良い現実の無い場所で。
それでも反応する。
____守りたかった、な_____
この気持ちが漂いたちにも響いた。




