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現世界 青命屋敷内545

現世界

青命屋敷内

三日月存在

海画 転


三日月存在は向かってくる。

海画は壁に触れると時の力を握る。

それにより、青の力を使おうとしたが今回は力が現れない。

出来ない時もあるようだ。


「現れない、か」


海画は時の力を無理に操ることにしたが、時を操ることは出来ない。

ので、青の力を体の中で起こすと。

時は使えないが無理に力を込める。

三日月存在は海画へ向かってくる。

海画は時の力は操れないが、時を三日月存在へ放る。

弾け飛ぶ。

操れない海画は弾け飛ばすしか出来ない。

が、その力は三日月存在を消し去る。


海画はそうして、三日月存在を消していく。


転はというと。

青結びが使えず三日月存在から拳を振られる。

転は避ける。

何とか避ける。

攻撃が出来ない。

能力があったからこそ戦えた。


自分が能力のない時を想像したこともないため、戦い方が分からない。

能力があるからこそ、考えてもいなかった。

転は自分の考えなしの生き方に苛立つ。

海画は能力のない時は戦えるかを聞かれたことがある。

けれど

今この時、ようやく考えた。

転は三日月存在から逃げるしかない。


「………っ!」


悔しいだろう

悔しいだろう、考えてもいなかったのだから

恥ずかしいだろう

ずっと


転はガチッと歯を噛む。

ならば、今考える。

もう遅い

遅いのは恥ずかしい

けれど、考える

恥ずかしい、けれど転は考える

今どうすればいいのか


このような自分では現ツミウを止めようとしていたことも恥ずかしい


転は動く


力の使えなくなったら

どう戦うのか

本能的に身を守る

その一つで動きだす


力をどうすればいいのか

力のないなら

力のない者はどうやって戦うのか。

海画は何でも使う

そこは学んだ

何でも使う

使えるものは

そう教えてくれた人だ


転は力の感じる地面に触れる。

そうすると、力だけ握り、三日月存在に蹴りを入れられ、地面に飛ばされる。

けれど握った手は離さない。

力を使う。

何でも使えるは使う


そう学んだ


転は青結びがないと戦えない

自分で分かる

力なしでは戦えない


避けることは出来る


避けられていないが


転は時の力へ青の力を込めることで青結びの力を引き出した


「何でも使え、ですよね。海画さん」


転は走りだす。

三日月存在を通り過ぎていく。

そうすると三日月存在は体がピタリと止まる。

青の結びにより、動けなくなる。


転はそこへ青の結びをきつく縛りつけるように力を込めると。

三日月存在は弾ける。


何でも使え……………


それは教えてもらった

教えてもらわなければこう動けなかった


転は時の力へ青を込め、三日月存在と戦う。

転は力の無い自分のことを考えなかった自分を恥ずかしいとようやくしっかりと感じられた。

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