似世界 過去なんて関係ないといいつつ、心はまだそこで止まっている533
似世界
過去のシルベ
青標の地の前のあるシルベ
青標の地へ来る前のシルベ
シルベは青標の地を知った。
青の地には引き寄せられたが
彼女はその中までは行っていない。
けれど。
航坂は青標の地で暴れ回っている。
のだが。
シルベを望んでいる。
だからこそ、シルベの元へならば。
シルベは花を供えることを続けた。
青標へは行かずに。
けれど。
やはり、航坂はどうしてもどの道でも
シルベと関係がありたい。
それを望んでいる。
これは
もう意識なく、関係がありたいのだ。
だから。
何もかもねじ曲げる。
ねじ曲げようが法則なんてどうでもいい。
関係あればいい。
関係さえあればいい。
航坂はどうしても
関係ある世界でありたい。
航坂は人の姿で出会う。
花を供えようと、どんな在り方をしようと彼女と関係のある世界でありたい。
「シルベ………」
航坂は無理矢理にシルベの元へと来た。
本体は青標の地にいる。
無理矢理出会っても互いに違和感がない。
だから
シルベと航坂は共に花を供える行動をする。
シルベは一つとしても航坂といることに嫌な気持ちが無かった。
違和感のないのだ。
あまりにも自然のことに感じた。
シルベは花を持ち、いう。
「どうしてだろうるて」
「え?」
「嫌じゃないるて」
「………………」
「何だか、落ち着くるて」
航坂にとっては。
「…………お、落ち着く…………そっか」
「不思議るてね。あなたの側にいるの、何でか落ち着くるて。航坂はそうじゃないと思うけど……」
「落ち着く、落ち着くから!」
けれど。
青標にシルベがいないということは。
航坂を封じられるのはシルベのみのため。
航坂を止める者がいないなら、空間が航坂を消すことになる。
航坂は少しずつ削られるように消されたのだ。
シルベは航坂がいなくなり、それは傷になった。
シルベがいないという世界は続くが。
航坂のいない世界はシルベは存在出来ない。
心的に存在出来ない。
だから、彼女は存在が消えたが。
似世界に引き寄せられたのだ。
引き寄せられた。
どうしてもいたいと思ってしまった相手だから
居なくてもいたいと思ってしまう相手だから
_シルベは今、他のシルベと共に
なぜ何かをしようとするのか
いや、そんなこと考えて、考えてる場合じゃない
とにかく
すると決めたならしないと
もう、何かをしようとするシルベたちの邪魔ではなく
自分がもう、すると決めないと




