上の方の使いの元へ戻る9
かいとたちが戻ると、黒い空間に出る。
戻ってきたといえるかわからないが戻ってきたようだ。
そこには上の方の使いがいた。
彼女は静かにいう。
「戻ってきましたね…」
かいとはいう。
「上の方が来て…いいのか…俺たち助けられて」
_助けてもらった…ってことだよな…
上の方の使いがいう。
「助けたんじゃないです。そろそろ役目の邪魔であるあなたたちを呼びに来ただけです。あの怪物はまだ現れるので」
桜子はほこを抱きしめる。
ほこは、はっと起きる。
桜子のほっとした笑顔に胸が痛む。
「桜子…ほこ………ほこ」
上の方の使いの後ろに隠れる。
「ごめんなさい、三人で戦うっていったのにほこは………ほこは!いない方がいいよね!ごめん…ほこなんて捨てた方がいいよ、桜子!」
「たしかにびっくりした…しかもかいとくんに攻撃するし………怒ってるよ」
桜子はほこに対してはっきりしてる。
お互いが大切だからだ。
桜子は、眉をつり上げ、まっすぐにいう。
「でも、いない方が…いい?何いってるの?もしいなくなったら、許さないし、もっと怒る…それに!」
桜子は続ける。
「私がほこを捨てるわけないでしょ!!」
ほこは隠れる。
「私が捨てると思う!?私はね、大事な相手は、どうしたって離せないのよ!?………多分私…一度大事になると……そのしつこいと思うから」
かいとはびくっとする。
何となく。
「…………桜子………さくらこおおおお!」
ほこは桜子の胸元に抱きつく。
かいとはほっとした顔で二人を見た。
それによって緊張がきれたのか
かいとははっとする。
_体………いってええええええ!いてえ!そういえば、かなりボコボコにされてたんだった………俺
かいとはくらっとする。
まだ倒れてられない。
心の中で何とか耐える。
___………!だめだ!耐えろ!
かいとは、ぐらっとする。
「かいと様!」
「かいと!?」
「かいとくん!」
かいとは思う。
_あ…だめだ…………