かいと 桜子 ほこ 8
かいとは動こうとする。
少女はその前に出る。
「だめ」
「お前一体?」
「気まぐれな空間遊びだよ、私はね、怪物を遊ばせるの、いつもあの女に倒されるんだけど」
「…な」
「あの女に嫌がらせしたいの、桜子とほこが傷つけあったら、あの女も傷つくかも」
ふふっと笑う。
「あの女って……もしかして上の方の…こと…か?」
少女はかいとの言葉は無視。
「どうせ仲間に攻撃できないでしょ、あなた」
その通りだ。
かいとにはほこに対して攻撃できない。
桜子の右手を踏もうとするほこ。
桜子は笑う。
「いいよ、ほこ」
ほこは、こらえる。
こらえる。
「……………や…………だ………だって、桜子は…………」
ほこは自分の声を出す。
「…………桜子は………ほこの………だいじ………だ」
かいとは、見ているだけはできない。
だからこそ、足を見る。
_足を攻撃すれっていったよな、なら…何かしらよく見ればわかるかも…しれない!
少女は無視して、かいとは走りだす。
少女はふふっとする。
かいとは、近づいて見る。
ほこの足が横方向に動き出し、かいとの体を蹴りつける。
かいとは、飛ばされる。
「な……………ぐっ!、………っ!」
地面に叩きつけられる。
少女はいう。
「ねーこちゃんは傷つけないのは桜子だよ?あなたのことはどうでもいいはず」
桜子の右手に体重が向けられる。
「…………っ!!」
桜子は一瞬痛みが走るが、ほこは足を何とか上げる。
「………桜子!早く、攻撃して、ほこを」
「…やだ……絶対に嫌だ…………ほこがほこでいるなら私は傷つけたりなんてしない!」
かいとは、立ち上がる。
_どうでもいいだと?
「どうでもいい?知ってるっての、ほこは俺のことは嫌いだ……でも、仲間だ!」
ほこにその声は聞こえた。
「ほこ……」
「…………ぐ…」
ほこは自分の顔へ足をぶつける。
そうして、桜子から離れる。
少女はその行動に驚く。
「ねーこちゃん?」
ほこは、大きな声で叫ぶ。
「ほこは、攻撃しないんだ、だから!」
ほこは自分の多くの前足の方を自分にぶつける。
かいとは、それを見て、足の裏側が見えた。
そこに、何かの模様のようなものがかかれているのが見えた。
「あれか!」
かいとは、走りだすと、ほこへ叫ぶ。
「ほこ!前足全部上げろ!!!!!」
前足の模様へと拳を向ける。
赤の力を拳に込め、ぶつける。
ぶつかった模様へ、拳がめり込んでいく。
そうすると、ほこは元の小さな姿へ戻っていき、体内から怪物が出てくる。
怪物は地面に立つと、かいとたちの方を向いている。
少女はふふっとする。
「ねーこちゃん、まあいいや、まだやろっか!」
怪物は向かっていく。
かいとも桜子も身構えたが。
そこへ少女の首に三角形が三つ重ねられた武器が向けられた。
「そこまでだ」
「おまえ…………」
「ここまでだ、次は私の番だ。空間遊び」
「いいわ、次に桜子が来たら、そいつをどうにかしてやる」
かいとを指差す。
上の方はいう。
「後ろを進めば戻れる。後は任せろ」
桜子はほこを抱きしめ、かいとは後ろに戻る。
「ほこは…」
ほこがいう。
「ごめんね…桜子、かいと」
「謝るな!別に痛かったけど怒ってねーし!」
「うん…眠ってて…ほこ」
かいとは後ろを見る。
上の方は多くの怪物へと向かっていく。
その後ろ姿は、強くたくましくて…。
かいとたちは、ここを出た。