似世界 いつきの繋がり508
似世界
いつき
流れる赤は止められない。
あの時と同じだ。
今度こそ、かもしれない。
いつきは心の中で言葉を出すのは。
_色葉…………ちょっと怖がりで……でも強い
やっぱり彼女を思い出す。
他にもミカオや有理架、思い出す相手は多い。
とても多くなった。
それぞれ強くて何かを想う。
いや。
強いだけではなくて、迷っている誰かもいる。
力のあるばかりでもない。
「……………でも、出会えたな………」
出会った。
どんな者であろうと。
大事なものがある者ばかりの方が多かった。
これから大事な相手を見つける誰かもいるだろう。
一生見つけない誰かもいるだろう。
様々でいいと感じられた。
様々でいいと、本当に感じた。
こんなにも多くがいる世界で考え方は一つではないことに気づけた。
様々なんだ。
どんな選択でも
何が良いも
悪いもないんだ
けれど出会った。
まだ出会ってない相手もいる。
様々でないとこんな世界、存在出来るはずがないみたいだ。
様々、みんな違う
これほどうれしいことはない。
みんな同じことを思う時があるときはあっても
みんな違うことを選んで、いくんだ
なんて、違うとは
いつきにとっては
うれしいことだ
違うから分かった
「みんな、違くて…………よかった」
同じ方が良い誰かもいた
違う方が良い誰かもいた
ああ、こんなにも誰かは多く、想像以上にいたんだ
知ろうともしなかった
知りもしなかった
知ろうとして、よかったかもしれない
いつきは目を閉じることにする。
ショウルエの声がした。
「目を閉じないで…………」
いつきは目を閉じた。




