似世界 都合の良い現実の無い場所で 絡まる力506
似世界
都合の良い現実の無い場所で
いつき かいと メモリーリーン 逃げの間の者
現ツミウ クキロ ショウルエ
絡まる力が発射される。
絡まる力が溢れる。
それは空間の亀裂を更に無理に引き裂いていく。
引き裂く
引き裂く
引き裂く
止められるわけがない。
それぞれの力は強い。
絡まったら更に強くなるに決まっている。
そこへ赤の怪物は近づかない。
止まる。
力は破壊していく。
誰にも何も出来ない。
出来ない。
出来ない。
強さが過ぎる。叶わない。
それで話は終わりなのだ。
終わりのはずであった。
彼岸花は現世界だけではなく、似世界にも現れる。
空間を破壊させないために。
ここには無駄にしないようにしようとする者がいる。
その代わり、崩壊させようとする者の望みは消すことになる。
そちらを無駄に、壊すことになる。
分かっている。
分かっていなければ。
いけない。
…………………三日月存在がズラリと並ぶ。
どこから。
空間を破壊出来る機会を狙っていた。
だから、今、現れた。
とにかく空間を破壊させるために。
_空間が痛むなら痛むなら
_壊すのは私たちが
空間を絡まる力が引き裂くことで三日月存在が現れた。
空間へタタッと走りだすと空間の亀裂を開けていく。
そこに画鋲柄の力があることに。
三日月存在は頭を後ろへ回す。
この力の持ち主を探す。
この場所には何名か、何だか異物の気配をする。
三日月存在の方が自然にこの場所にいる。
逆にクキロ、ショウルエ、似ツミウ。
いつき、かいと、逃げの間の者、メモリーリーンがいる。
三日月存在よりも異物だ。
_ここにいる、普通なのは私たち
_お前ら、食らう
_空間
なぜそこまで空間を思うのか。
空間を思うのか。
三日月存在の出現は強き力を持つ者の動きを止めるという力を持つ。
かいとはいう。
「立ち、あがれない?」
メモリーリーンもいう。
「もう動けないよ!」
ショウルエも焦る。
赤の怪物は変わらず向かってくる。
爪を持つ腕を振り上げる。
ショウルエへ向けられる。
かいとはその光景に動こうとしても、
「何で動けないんだ!!!」
そこへタッと走ってしまったのは。
自然に走ったのは、あまり動かないであろう彼女。
なぜか。
本当に自然だ。
なぜか、息をするように動いていた。
ショウルエの前に出ないはずの彼女がいた。
わざわざ危険な場所へ飛び込まない彼女。
けれど、飛び込んでしまう時のある彼女。
ショウルエもその姿に驚く。
前に出た彼女。
そこへ過去の言葉がつづられる。
なにもならないし、何も残さない。
あとは死ぬだけ。
心残りも特にない。
そんな言葉が過去の言葉が今なぜか思い出された。
赤の瞳の怪物は爪を振る。
前に出た彼女を爪で突き刺す。
突き刺された彼女は倒れる。
そこへ他の赤の瞳の怪物は来る。
誰も守れないことは分かっているはずの彼女の行動は。
何を起こすのか?
遠くのクキロ、似ツミウ、逃げの間の者も彼女の姿を見た。
逃げの間の者は彼女へ飛んでいく。
_いつき!!!!
いつきは倒れる。
前も同じことがあった。
覚えてなかったが思いだした。
あの時は色葉の前に。
いつきが倒れても。
先ほどは絡まる力に怯えた赤の瞳の怪物たちは動いていた。
かいと、メモリーリーンも狙われる。
動けないのに。
いつきは倒れる。
ショウルエの前にいた。
流れる赤色はショウルエの足下にも流れる。
爪を引き抜かれたため、血が多く流れている。
……………
いつきは倒れながら思うのは。
「………いったいな…………」
ショウルエは血の流れる光景は見てきた者だ。
だから。
いつきの行動は。
ショウルエは流れた血で小さくてもいい。
指のみを使い、時式を描く。
血で時式を描く。
簡単には消える怪物たち。
少しの刺激でも消える。
そこだけは良かった。
時の式は動きだす。
流れた血を使う。
ショウルエなら、それが出来る。
時式は血を使う。
遠距離までは出来ないはずなのだが。
「時式。力を起こして」
地面を走るようにして、かいと、メモリーリーンを狙う怪物は削る力で消していく。
小さな時の式から遠距離はかなり力の消耗だ。
ショウルエは息を何とか吸う。
「あなたの血。使うね」
ショウルエは時式を起こす。
だが、クキロ、似ツミウまでは届かせられない。
そこへも怪物は狙う。
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いつきが血を流して倒れている。
逃げの間の者はその周りを飛んでいるが何も出来ない。
_いつき!いつき!!




