似世界 空間の壊れた場所で(航坂 時恋)501
似世界
空間の壊れた場所で
航坂 時恋
恋愛経験は心を成長させる、かもしれない
特に叶わない思いを経験すれば
航坂は叶っているようで叶わない。
戦い続ける。
それでも、幸せだ。
航坂は想う。
_シルベの、隣にいて、なのは
_自分でありたかったのに!!!!
時恋へ光線が放たれる。
_シルベ、近く、私!!!
_シルベ、近くにいて、は、私、がいいのに!!
時恋へ叫び声が響く。
「シルベ、近く、いた、い、?、」
時恋はシルベといることを選んだ。
惹かれたのは当然。
けれど、それだけではなく、自分がそう思う。
自分がそう思ったなら
それでいい。
今近くにいたのは自分だ
それでいい
時恋は答える。
「あなた、見え、てた、でも、シルベ、と、いる、なのに、何が、嫌、なの、?、」
何が嫌なのか
時恋は不思議がる。
「なに、嫌、?、」
声は響く。
_私が、いいの………!!!
「…………………めんどくさい」
時恋は冷たい目をした。
「めんどくさい、めんどくさい、」
光線は更に飛ばされる。
「めんどくさい、好き、簡単、それで、いい、はず、シルベ、どうせ、あなた、ひか、れる、分かって、いる、でしょ、?、それに、」
もしもその世界のシルベが誰かを好きになれば。
時恋は自然に言葉が出る。
「恋、破れた、時、そば、いるの、あなた、でしょ、?」
光線は飛ばされる。
「どうせ、恋、破れても、いる、あなた、でしょ、?、」
時恋の言葉は航坂の心を落ち着かせる力はない。
彼女を落ち着かせる力を持つのは。




