現世界 青命屋敷内 イロノルレフ亜489
現世界
青命屋敷内
青標食 現ツミウ
イロノルレフ亜
ミスハサ
赤の怪物たちも動かなくなる。
頭を抱える。
イロノルレフ亜は耳を塞ぐ。
「_________!!!!!」
音がする。
叫び声がする。
イロノルレフ亜は膝を着けている自分に苛立つ。
「なに、してるの?」
イロノルレフ亜は恐ろしい顔をしていた。
自分へ苛立つ。
耳を塞ぐ自分に苛立つ。
耳から手を離す。
イロノルレフ亜は立ち上がる。
「私……………私…………なに膝ついてるっ?逃げの間の者が別の世界にいるんだっ」
____________!!!
叫び声はどうにか出来ない。
イロノルレフ亜は立ち上がる。
「私っ立ち上がるっ、仲間をこちらへ帰す」
画鋲柄の力は現れない。
力が現れない。
イロノルレフ亜は力を使えない時こそ焦るのをやめる。
「じゃあ!別のをやろう!」
____青標食と現ツミウは時式を破壊する。
まず。
壁にぶつかった時の線は力の込められている場所に当たり、落ちてくる。
イロノルレフ亜はクルンと回る。
そうして、力の感じる場所へ飛んでいく。
「力見っけっ!!!!」
ミスハサはイロノルレフ亜の姿が見えたが気にせず時の線を現し雷雲の雫へ向ける。
イロノルレフ亜へ力は渡すことにする。
ミスハサは青標食、現ツミウへ時の線を伸ばし、二つは後ろへ下がる。
時式の深くへ潜り込み雷雲の雫は内部を砕いていく。
イロノルレフ亜の力を吸い取ったのは良かった。
現ツミウは逃げの間の者の落とした力を使ったのは良かった。
けれど知らなかった。
イロノルレフ亜は逃げの間の者思いということ。
それを知らなかった。
現ツミウは知らなかった。
イロノルレフ亜は相当に逆境としてもどうにかしようとする精神力の持ち主ということ。
現ツミウの思いは強い。
けれどイロノルレフ亜の思いも強い。
強いのだ。
二つもぶつかる。
現ツミウは雷雲の雫に囲まれハッとする。
「!」
イロノルレフ亜の方を見た。
強い力の反応。
現ツミウは下がらない。
更にその力を吸おうとする。
逃げの間の者の力を握っていた。
力を吸おうと画鋲柄の力がイロノルレフ亜へ向かう。
イロノルレフ亜はニパッとする。
「イロノルレフ亜ちゃんはここからもーっと強くなるっ♪うんうんっ♪私は強くなろうと思うよっ♪」
イロノルレフ亜の手の中に時の力が握られた。
それは、やはり青に輝く。
時の線がイロノルレフ亜の手の中から現れる。
「おーっ♪」
けれどイロノルレフ亜を弾こうとする。
ニコッとするイロノルレフ亜は。
「力に嫌われたっ♪よくあることよくあることっ♪」
力を抱きしめるようにする。
だが声は低い
「弾いても私は力を使うっ♪さあ。私と戦ってっ♪時の力♪」
その“時”の力はイロノルレフ亜が受け取るはずであった。
だが。
そこへ束状の力が飛んできた。
イロノルレフ亜へ送られる、はずの力は都合の良い現実。
束状の力に時の力が包まれていく。
イロノルレフ亜はあややーっとなる。
「亜ややーっ♪?」
力を奪われてしまう。
都合良く、時式へと更に力が込められる。
時式を破壊出来る。
この場にいる者は思った。
イロノルレフ亜は遂げたシルベと戦っていたことを思い出す。
自分の頭をコツリと叩く。
「あ♪私、とっても強いシルベと戦っていたんだっけるてっ♪」
時式を破壊出来る。
この場にいる者は思った。
けれど。
思わない者と。
似世界への影響に気づく者は怯えた顔をしてからニコリとした。
なぜなら。
現世界にいる者の反応を感じているからだ。
倒れる転は目が覚めた。
ここに似世界に触れた転とミスハサがいる。
だから、その似世界にいる怯えた顔をしつつの者は時式の破壊状態に気づけた。




