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現世界 青命屋敷内 思航486
現世界
青命屋敷内
思航
彼はツミウの元へ向かう。
本当はもっと早くにそうしなければならなかった。
思航も内心恐怖していたと思う。
けれど、向かう。
島凪は最初から知っていた。
思航という人は冷静であるがまだ子どもの時に命をなくしている。
そのため、感情の中にうまくどうにか出来ないことがあるに決まっている。
島凪は心配していた。
何年も子どもをしつつ、成長を続けたと違う。
「………………」
思航は屋敷の中にいた。
だが向かうべき場所は。
ツミウの気配がある。
「姉上………。…!……ツミウ」
姉として呼びそうになるがやめる。
屋敷の中を進む。
青命の屋敷は良い気配と悪い気配がする。
先へ歩くと赤の瞳の怪物が爪を振る。
思航は避ける。
青の力を小さく放つ。
部屋を通りすぎる度に嫌な気配がする。
「……………」
何もいわないが前を向く。
ツミウの元へ向かう。




