似世界 壊れた空間場所で 青の羽根478
似世界
壊れた空間場所で
青の羽根
青の羽根。
シルベの集合体。
彼女たちは何かを果たせなかった。
果たさなかった。
だからこそ、果たしたいのかもしれない。
果たす、ために。
目の前にいるの赤の塊は異形だ。
だがその姿は氷が所々に起きつつ爪を持つ腕を生やす。
青の羽根に恐怖はない。
_一つくらい、何かを成し遂げさせてほしいるて
氷かかる怪物は爪を伸ばすと回転していく。
青の羽根は後ろに扇のように羽根を現すと、怪物へと向ける。
真っ直ぐではなく、斜め動きをするように向かう。
怪物は爪を振ってきたが青の羽根を通りすぎる。
先に羽根が怪物を切り落とした。
ザラザラと消えていく。
青の羽根は一瞬。
落ち着いた。
だから、他の爪が来ていることに気づくのが遅れた。
他にも向かってきていたというのに。
青の羽根は爪をいくつも突き刺された。
青の羽根の体は爪により、浮いていたのが落ちていく。
_こういう所が遂げられなかった理由、るてね
青の羽根は落ちていく。
そこへ青の羽根の分かれた羽根一枚が戻ってくる。
更に爪を突き刺されつつ、羽根一枚は爪の部分を攻撃し、ザラザラと消していく。
_シルベたちー来たよるて
青の羽根へ戻る。
青の羽根は刺されても笑みを含んだ声を出す。
_お帰り。シルベ。と航坂までるて
戻った彼女によってクリスマスベルが現れるとピンクの羽根という飾りがされる。
二人という愛情を選んだからこそ生まれた力。
そこに他のシルベたちの力も混ざる。
愛を選んだシルベと航坂はニコリとする。
戦う相手同士の関係。
恋などしてはいけないともいえる関係。
_航坂!いっけーるて!
ピンクの羽根飾りがされたクリスマスベルは光線を放つ。
赤の怪物は消し飛んでしまう。
_航坂、好きるて
最後まであなたの隣で。
航坂の声が聞こえた気がした。
青の羽根はけれど。
こちらへ来る量の多さにニタリとした。
_まだ、来るるて
シルベたちは怖がってはいない。
何かを成し遂げたい。
自分では成せないことでも。
成し遂げるために。
_私たち。私たちは成し遂げたいと思っている
思っている
今はシルベたちは総意だ。
バラバラな時ばかりであったが。
思いは一つ。
赤の怪物は向かってくる。
_来るるて
声がする。
_共に最後まで
_最後まで出来る気がするるて
_意味がないかもるて、でも、成し遂げよう
_やろうるて
青の羽根は前を向く。
赤の怪物は集合していく。
それはいくつも現れていく。
爪がバキッと怪物を引き裂いて現れる。
青の羽根へ向かってくる。
青の羽根はクリスマスベルを纏うようにするとキュッと縛る。
_航坂の力も、かるて
_えへへるて。私は航坂を好きになった。だけど私はいなくなるるて、でも私に協力してくれるって。時恋もでしょるて
_うん………
_同じでも違う道を選んだねるて。でも、私の最後は世界から私たちが消えただけだからいいと思えるるて
_あなたも、だねるて
違う道のシルベは笑顔を向けた。
_私は航坂が大好き!どうしてもその気持ちは変えられなかったるて!そして!これからも変わらないるて!
クリスマスベルは更に力を増す。
好きという言葉に反応した。
赤の怪物たちは突っ込んでくる。
爪を向けてくるが光線は伸びていき怪物を消していく。
その中で避けた者もいる。
青の羽根を斜め後ろから狙い、爪で切りつける。
何度も繰り返し切りつける。
青の羽根の反応は静かだ。
痛みはあると思えるが
全てのシルベは痛みを感じても何かを果たすことのために誰も耐え抜く。
青の羽根の力で容易に赤の怪物は倒せても量の多さに消せない。
そのため、青の羽根は地面へと落とされる。
_落とされた、かるて
_落とされたるて!
地面に打ちつけられる。
すぐに消せるのに量が多いため地面で爪を突き刺されていく。
何度も刺されていく。
強力な存在であっても量の多い方が勝つ場合もある。
青の羽根たちは突き刺されていく。
_果たせずに終わる、かるて
その言葉に。
シルベたちは反応する。
_果たすんだるて!!
_ここでだめと思うなるて!!
_私たちがいるるて!!!!!
_私たちは悔しさを少しくらいは知っているるて!少しでも悔しいなら!ここで終わるなるて!!
_私の温かさはあの人。私もあの人に伝えたいるて、私はそれなりにこうなったよってるて
_私たち!諦めたらだめるて!!
青の羽根はブワッと羽根を四つ現す。
航坂のクリスマスベルがそれぞれ飾りのようにされる。
そこから光線が上へ向かって弾ける。
怪物たちへ直撃すると消えていく。
青の羽根にもやるべきことを無理矢理に作った。
無理矢理でないと自分たちも何もしないことが分かる。
だからこそ、何でもいい。
自分のするべきことさえあればいい。
無理矢理でなければ、本当に諦めるしやり遂げようともしないことを分かっているから。
者をなくしたシルベはいう。
誰かの思いを感じた。
この冷たさと温かさは。
シルベは誰か分かったようだ。
心に残り続ける誰か。
自分の心を最期まで混乱させる誰か。
その思いを感じた。
両肩をそっと手が乗せられた。
そんな気がした。
_あなたが私にすれといっているるてね。あなたはひどいるて。でも………………
シルベは涙を含む目をして、口角を上げる。
また違う出会いをしたシルベは心からその言葉を口に出す。
_愛している、るて




