現世界 青命屋敷 遂げたシルベ471
現世界
青命屋敷
イロノルレフ亜 遂げたシルベ 夢橋結衣
シルベは剣を握る。
「私の心に傷はつけられなかったかるて」
イロノルレフ亜はニコニコする。
「精神攻撃無理かーっ♪」
「私の精神には攻撃出来ないのか、残念るて」
遂げたシルベは本当に残念そうだ。
心から。
精神に攻撃されて悲しんで動かなくなる。
そんなことはいくつもあった。
慣れたのではなく、ありすぎただけ。
青の漂いの精神への攻撃はもっと苦しさがあった。
それに慣れて。
最終的に。
自分の心へ攻撃出来るのは共にいた剣だけだ。
剣だけはシルベの悪い部分を的確に指摘するため傷つくことが多い。
自分では気づけないから。尚更傷つく。
イロノルレフ亜は手を上げる。
「強いなっ♪精神攻撃はかなりくるものなのにっ♪これこそすごいってやつだねっ♪うん。耐力があるねっ♪」
青の画びょう柄の力が二つ、イロノルレフ亜の後ろに現れる。
「強ーいなあっ♪いいねっ♪」
シルベは笑う。
「私は強くないるて」
「またまた謙遜?ってやつっ?」
「私が強いんじゃないるて。共にいる者が強い」
シルベはその場で動かず剣の柄を顔横でピタリと止める。
イロノルレフ亜は珍しく真っ直ぐに攻撃する。
まず、一つを。
シルベは剣を振ると斬り落とす。
もう一つの力は別の動きをしてシルベの背中を狙う。
彼女らしい戦い方だ。
真っ直ぐな攻撃はしない。
シルベはすぐに反応し斬る。
_!
上からも画びょう柄の力がいくつも発生していて落下してくる。
「…」
シルベは斬るは選ばない。
後ろへと下がる。
落下してくる力は地面に突き刺される。
結衣はその光景を見つめる。
「うわあ…………何かとんでもない戦いだ…」
イロノルレフ亜はハッとする。
「んんっ♪シルベと戦うの楽しかったっ♪もういいやっ♪あっちも行って来るーっ♪」
シルベを置き、飛んでいく。
自由な者だ。
シルベは自分の頭を抱えイロノルレフ亜の後ろ姿を見送る。
「何だったるて………」
剣は一ついう。
“赤の瞳…また来るぞ”
赤の瞳は減らない。
「まだ来るるて?えええ」
シルベは一つため息をつくが。
先ほど赤の瞳の怪物の心臓を斬った。
ドクンとする。
「これは………?」
“青命屋敷の在り方を変えるための力となる”
「力になる、るて。そうかるて」
シルベはあとはどうすればいいのか分かる。
分か…る。
“どうすればいいのか分かるだろう?”
「分かんないるて!分かるとか思うなるて」
“我が何かをいい、強制されるのは嫌いだろう?”
「まあ、たしかに強制されるのは嫌いかもるて」
“行こうか”
シルベは怪物を斬りながら、考える。
「考えながらだよーるて!」
“考えながら大変だな”
どうすればいいか。
必ず分かると思う。
シルベは分かると思う。




