現世界 青標建物内(航坂 シルベ)457
現世界
青標建物内
航坂 シルベ
航坂は青標地の道標に惚れ込んでいる。
封印されそうになるのは。
魂が引き寄せるのだ。
二人はそこまで一緒にいたとは思わないが。
どうしても惹かれた。
惹かれてしまったのだ
理由は分からない。
覚えていないだけで強烈に惹かれる出来事が、あったのかもしれない。
魂が引き寄せられる。
どうしても綺麗と感じてしまう。
引き寄せられる。
_シルベ、きれい…………
航坂はただ、青の者として手を汚してきた
その中で出会うことになる
道標。
なぜか、きれいだと感じた
なぜ?なぜ?
心を深く突き刺すように惹かれる
_どうして、惹かれる?
光沢のある飾りを容赦なく、飛ばす。
容赦しない。
遠慮しない。
シルベは剣を持ち、切っていく。
航坂はなぜか彼女に心が惹かれる
もうずっと封印された時も
会えない時も
惹かれる
惹かれる
惹かれる
_惹かれてはだめ、なのに……
航坂は。
けれど容赦なく、光沢のある飾りをいくつも飛ばし二つをぶつけるようにして、どこからシルベを狙うかは分からないように混乱させようとする。
だが、シルベは混乱せず冷静に剣を振る。
必ず全てを受け止めるように斬る。
その姿に更に惚れ込む。
_私は、封印されない
彼女に封印されたい。
封印されたくない
封印されたい
封印されたくない
「…………航坂」
道標に名前を呼ばれることに……感じてはいけないが。
心地が良いのだ。
シルベは航坂と向き合っている。
航坂は向き合っているとはいえない。
_シルベ………
光沢のある飾りは雑に飛ぶように見えて、シルベに向かう場所を知られないために、先の飾りを重ねるようにぶつけシルベを狙う。
航坂はシルベ一人を狙う。
シルベは信じている。
航坂は必ず自分を狙うとだから、剣を振り斬るだけではなく、航坂へ力を返すことも出来る。
航坂へ直撃はされない。
が、かする。
「当たらなかった、けど次は当てるるてよ」
航坂は喜びがある。
彼女と向き合う瞬間
航坂はなぜか喜びでもある。
_シルベ、遠慮しない、したくない
光沢のある飾りを飛ばすではなく神々しく輝き出す。
光沢のあるクリスマスベルが現れる。
光が放たれる。
真っ直ぐに光は伸びていく。
シルベはその場で腰を少し下げると両足で自分の体を支える。
剣を振るではなくピタリと自分の脇腹下前で止まる。
そこから動かない。
___シルベ、あなたに
言葉には出さない。
航坂の心の言葉は。
______封印されたい_____
その言葉は出さない。
反対の言葉を口に出す。
_封印されたくない
シルベは剣と共に光を受け止める。




