表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1474/2097

現世界 青命屋敷外(遂げたシルベ)452

現世界

青命屋敷外

遂げたシルベ 夢橋結衣


青命屋敷の外に結衣がいた。

彼女は結界を維持するために、自分の力をパチンッと弾く。

それにより、力は更に込められていく。

簡単には破られない。

一時の力としても破らせたりしない。


遂げたシルベは剣を持つ。

赤の瞳の怪物は密集していく。

そうして、生まれるのは。


赤藍色の四足歩行の恐竜のような形。

骨組みとなっているという状態である。

それは大きくない。静かに骨組みは回転するように動いていく。

地面に体は着けずに空中を浮かんでいる。

ゆっくりと動く。


ゆっくり、ゆっくりと空中から尾の部分を地面に着けると引きずる。


赤藍色の恐竜がいる。

遂げたシルベは剣を握る。

尾を振り、シルベへ向ける。

剣を両手で握り斜めの形を作り、尾を受ける。

赤藍色の恐竜シルベのみを狙う。

遂げてもいるようでいない存在のシルベだからこそ狙われる。

結衣は狙われていない。

ここにいるからだ。


シルベは後ろへ自分から下がる。

押すことは出来たが下がることを選んだ。

赤藍色の恐竜は骨組みでもあり、体内でガラガラと音を震わせ鳴らす。


シルベはゾッとした。

体内から骨が剥き出しになり、骨が単体で飛びだしていく。


シルベは避けることは出来ない。

結界はあるが避けては外が壊される。

剣を握るとタッと走り、斬っていく。

全ては間に合わない。

そのため、骨組みを剣で押すと他の骨も地面に落としていく。

地面に散らばる骨たちは赤藍色の恐竜の元へ戻る。


「戻ったかるて」


倒す方法。

剣は声をかけてくる。


_シルベ。消滅させろ_


「分かっているるて」


_まだ分からないか?消滅の仕方_


「私が自分で分からないといけないんだよねるて」


_そうだ_


シルベはタッと走りだし、赤藍色の恐竜へ近づく。


赤藍色の恐竜は近づいてきたシルベを飲み込もうと体内の骨は動きだす。シルベは近付き中の様子を確認する。骨の部分は突き出ていてあと少しで突き刺す手前まで近づく。

額をかすった。


次に右腕に少し突き刺さる。


「………いったいるてね」


シルベは後ろへようやく下がる。


「でも、痛いくらいならいいるて」


剣を握ると、彼女は更に骨を飛ばしてくる。

全て間に合わせる。

いや、一つ遅れ結界にぶつかり、地面に落ちる。


結衣は結界にぶつかったことで焦る。

一つで大きな亀裂がある。


「うわあ……この一つで…つよい」


と、おーっという顔をして見つめると。

結衣はハッとする。

結界を直す作業を始める。


「直さないと」


結衣はあわてて直し始める。


シルベはというと、考える顔をする。


「どうしようかなるて」


考えたのは一瞬、動くことを選ぶ。

シルベは赤藍色の恐竜の体内に心臓が見えた。

あれを斬る。

シルベの目的は決まる。

まずは走りだし飛んでくる骨を斬っていく。

赤藍色の恐竜は動くことがない。

これならば、ただ斬り骨組みの中へ潜ればいい。


これから起きることは変化。

変化のためにシルベは動く。

変化。

シルベは伝えられていた。


変化のためにこの時に来ると。

シルベは変わることは得意でないと自分でいう。

けれど、変えるべき所は変えたい。

そう思っている。

何を変えることになるのかは。

もう知っている。

だが、そのためにどうすればいいかは

どうするかは自分が選んでいくようだ

シルベは困ったように頭に手を置く。


「私は遂げたけれど、選ぶことは今も苦手なんだるて」


けれど口ではそういっても彼女は選ぶ。

選んできた。

好奇心

この先がどうなるか?

分からないからこそ先へ進みたいと。

選んでここにいる。


シルベは赤藍色の恐竜の体内に容易に潜り込むと心臓がある。

助走をつけ、地面を踏みつけ骨組みの部分を足場にするように心臓へ向かう。

心臓へ到達し剣を振る。



___心臓を斬った。


赤藍色の恐竜はドロリと落ちていき消えた。

呆気がない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ