現世界 青命屋敷内(カン 三日月頭の存在)450
現世界
青命屋敷内
カン 三日月頭の存在
三日月頭の怪物は騒ぎ始める。
時式を狙っていたが遊び道具を変えるように観覧車のカンを相手にする。
思いきりカンを吹っ飛ばす。
三日月頭は興味をなくし、時の式へ腕を振り上げる。
そこへ小さな観覧車が飛んできた。
腕はカンへとぶつかる。
地面に叩きつけられる。
「でも、負けないよ!みっちゃんいるからね!」
三日月頭はカンをガッと掴むともう片方の腕で何度も殴る。
形は変わらないが、カンは地面に落とされる。
が、カンは立ち上がる。
「みっちゃんが丈夫に作ってくれたからね!大丈夫さ!さあ!やろう!」
カンは何度も何度も地面に叩きつけられる。
けれど、すぐに起きあがる。
「頑丈なんだよ!みっちゃんはね、簡単に壊れないかいっぱい確認してたんだ、だから倒れないよ」
三日月頭に何度も地面に倒される。
けれど、起きあがるカン。
「起きあがるよ!」
何かを失ったようだ。
強大な力を授けられたはずなのに失った。
何を失ったのか。
カンは地面に倒れつつ思う。
何かがない。
「しゃべれる?でも………あ。」
カンは無くしたものをつぶやく。
「戦い方?かな?そっか。戦い方か!そもそも戦い方なんて分からないし!みっちゃんを守りたい!その一つでどうにかなるよ!」
カンは起きあがる。
戦い方が分からない。
けれど、飛び込む。
とにかく時式へ攻撃させない。
そのために叩かれても負けない。
その気持ちにはミカオという存在がいる。
カンの中にいるのだ。
だから、戦い方は分からなくなっても自然に動く。
三日月頭の存在はカンを急に抱くと地面へと自分ごと地面に叩きつけようとする。
青標食はその光景を見た。




