現世界 青命屋敷内(現ツミウ ミスハサ)449
現世界
青命屋敷内
青標食 現ツミウ
転 ミスハサ
観覧車
青命屋敷のある部屋
そこでは、譲れない戦いが起きていた。
本人にとって譲れないことがある。
その譲れないことのために戦う。
現ツミウはこの場所を変える。
それが破壊としても。
誰かのためにという気持ちにより、譲らない。
ミスハサは別の世界へと繋がる時の式を壊されないこと。
自らのために譲らない。
互いに大事なことがある。
お互いに自分の願いがぶつかりあえば、相手の望みを消すしかない。
望みはけれど、互いに強い。
誰かのためも。
自分のためも。
互いに強い。
望みがあれば誰であろうと強くなる。
だが、どちらかの望みを壊すことになる。
互いに分かっている。
譲らない。
現ツミウは青色の濃い炎のような力を現す。
時式は自ら何重の線を真っ直ぐに突き出す。
二つの力はぶつかりあう。
互いの望みを消すために削り合う。
どちらの望みの方が強いのか。
ミスハサは。
亀裂の入る時式を感じ。
「どうして…………」
心にも力の反動が来る。
ミスハサは力を込めつつ、つぶやく。
「どうして、いない、の………?」
つぶやいた。
だが、時へ強力な力が込められていく。
弱くならない。
声に弱さが表れても彼は揺らがない。
揺るがない。
痛みながらも強くいられる。
ミスハサは口角を上げる。
「譲らない」
それ程の時間が過ぎたのだ。
心は揺るがない。
揺らぐわけがない。
その苦しみを感じた最初から時間が相当に経ったのだ。
もう、心は揺るがない。
ミスハサの力は更に増す。
現ツミウは時の力が更に強くなったことが伝わる。
ミスハサの想い一つで揺るぐことはない。
彼女も見てきた光景がある。
知ったことがある。
互いに違う光景を見てきただろう。
悪であろうと、善、そんな言葉では足りない。
それぞれの時間、思い出があるだろう。
互いに譲るなんてしない。
そうしてやろうという気遣いもない。
互いに見てきた光景が違うのだから
お互いの望みを消すために
力を込める。




