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上の方の使いとかいと1

放課後


「…えっと、来たぞ」


かいとは公園に着いた。

そこには赤の着物姿の少女がいる。


「かいと様。呼んでしまってすみません」


「いや、何の用なんだ?」


「………」


上の方の使いはじっとかいとの肩を見つめる。

かいとは気づく。


「あ…これのことか?」


「その赤く巻き付くのは闇ですね」


「闇…か」


「上の方様に伝えてほしいと言われてます。“かいと。お前は桜子を半分にしたことで回復力が遅くなっているだろう、全く、兄と同じく余計なことしかしないな。といっても、桜子はきっと、人に近づけて喜んでいると思うが”」


_回復が、遅くなってる?


「それって…」


「桜子様の体は特殊です。かけらのときからの不老不死性はなくなってませんが…回復の力は落ちていると…そして、あなたも半分闇を持ち、不老不死でもあるんでしょう…試そうとは思いませんが」


_そんな………俺のことなんてどうでもいい!

それより


「桜子はそのこと知ってるのか?その、回復とか落ちたって…」


「知っています。異常なしとはなっていますが…」


「でも…それなら、俺…………余計なことを」


「余計ではないと思います。…あと、かいと様は何かしら代償があると思います…痛みは思い出しますか?」


「ああ…思い出したくない…けど…」


「最近何か変わったことないですか?」


「ない…な」


「そうですか。では、桜子様と半分になったあなたと桜子様には上の方様の元へ来てほしいんです」


「上の方のとこって?桜子は…来てないけど」


「桜子様には先にその場所へ行っています」




ある場所

そこには、桜子がいた。

呼ばれたが、上の方は来ない。


そこへ、赤のキャミソールに半ズボンの少女が来る。

ツインテールの髪は三つ編み。


「桜子。待たせてすまない。またすぐ行くんだが」





ある長い通路。

上の方の使いの後ろをついて行く。


「ここって………」


「上の方様はここにいます」


「ここ…来たこと一回だけある。兄ちゃんが赤井を追い出される時に」


「お兄様ですか。かなた様…どんな方ですか?」


かいとは、口角が上がる。

が、どこか寂しげな目になる。


「なんていうか、強くて優しい兄ちゃんだな………俺のせいなのに…怒らなくて謝ってきて………謝るのは俺の方なのに」


「……………かなた様…お会いしてみたかったです」


上の方の使いは柔らかい目をした。


話をしていると、暗い穴が前に現れる。


「……ここって」


「この先に上の方様。桜子様がいます」


二人は進む。

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