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現世界 都合の良い現実の在る場所(島凪)429

現世界

都合の良い現実の在る場所

島凪


赤の瞳の怪物は島凪を狙う。

だが、優先はさせた。

向かうのは都合の良い現実を止める……であったが。

この状況は都合の良い現実がいなければ倒せない。


島凪は目的を変える。

敵が変わっている。

赤の瞳の怪物を消す。


「無から有を現すりんさ」


墨色の力は現れる。

線は伸び、ザクリと赤の瞳の怪物たちを消していく。


_わあ、食いたいな。島凪だ


_久しぶりだね島凪


島凪は、顔を上げている。


「久しぶりりんさね」


声はする。


_君も私たちと同じになるはずだったのに。


_でも、いないようなものだよね


_いない。青の漂いだっていない


_食いたいな、く……


赤の瞳の怪物は島凪へと近づく。

墨色の力で容易に消されていく。

ただ、多くいるだけ


「食べても。私を食べてもあなたたちが救われることはないりんさ」


_そう、食べても救われない


_私たちも青の漂いと同じ、同じでも、食べたい食べたい、食べたい


_都合の良い現実とか、食べたら何か変わるかも


_食べたいなあ、食べたいなあ


束状の力は赤の瞳の怪物を粉々にしていく。 

島凪は動けない。


「同じりんさ………けれど、ね。私は出会いを知ったりんさ。それだけで目的や、したいことを選ぶ。何もかも壊れようがもうどうにも出来ないだろうが、知ることは出来たりんさ」


島凪は粉々に砕かれる同じ存在へ向けていう。

その瞳はけれど落ち着いている。

浄化されていく。


「どうか。あなたたちも出会いを知るだけでいいと思うのりんさ。私のような者も少しは……ほんの少しは変われたりんさ」


赤の瞳の怪物を消していく。

理由は一つだ。


「あなたたちを消すりんさ」


_私たちを哀れに思う?


_私たちを哀れだから助けてやろう?


島凪はニタリとする。


「助けてやろう?なんて、思ってないりんさ。私はあなたたちが邪魔りんさ」


_そう、食べたいなあ


_食べたいなあ


島凪は消していく。

そこへ一つ赤の瞳の怪物は爪を持ち、島凪の墨色の力を避けていく者がいた。


亀裂から現れ、先ほどから避けていた。

島凪の力を受けつつ、消えない者。

中には簡単に消えない者もいる。

周りを囲んだ怪物の相手をすることで島凪は気づかなかった。

背中をザクリッと爪が引き裂く。

島凪は気にせず墨色の力を伸ばし、怪物を消していく。

が、ドクリッと地面に膝を着ける。


息を吸い、吐く。

動けない。

こんな力は持っていないはずだ。

爪だけでこんな力は持っていない。


だが、島凪は血を吐く。


「何………………りんさ?」


こんな力は無いはずだ。

無いはずなのだ。


「…………っ!」


そこへ赤の瞳の怪物は爪で狙う。


「っ………!」


赤の瞳の怪物は、こんな力は無いはずなのだ。

群がる存在は昔からいるため、何か体の作りが少し変わった者もいたことに島凪は気づくことも知ることもなかった。

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