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現世界 都合の良い現実の在る場所423

現世界

都合の良い現実の在る場所

島凪


島凪は吹き飛ばされたが空中で手を伸ばす。

都合の良い現実を止めるための何かがどこかにある。

飛ばされながらも探す。


あるのだ。

異空間遊びの思い通り、となっていたとしても。

目的が出来た。

島凪は探す。


「どこりんさ」


探す。

照世が飲み込まれた気配はある。

だか、飲み込まれるだけでは終わらない相手だ。

あの強力な青を持つ存在は飲み込まれて何かを見つけようとしている。

何度もただ、飲み込まれた。


けれど。

飲み込まれればどう抜ければいいかも分かるようになれるかもしれない。


島凪と照世は都合の良い現実を抑えるための何かを探す。

異空間遊びからの誘いのような面白がりの提案をされた。

都合の良い現実は抑えるための何かがある。

現ツミウを思って行動したとしても抑える機能を持つ何かを破壊すれば止まる。


が、島凪はハッとする。

青標、青食が動けるようになる。

お互いに攻撃しあうだろう。

それは、島凪はいいだろうと思う。


ただ、ゾクリッという間隔が体中を突き抜ける。

都合の良い現実もその反応に気づく。


_____この反応


都合の良い現実の束状の力は島凪を追うことを止める。


ここへ潜り込んできた者を消すことを優先させる。


_そうか。赤の怪物か。先に消す。増えると勝手に融合していく



_島凪の前に赤の瞳の怪物が爪を振ってくる者がいる。


島凪は逃げることはせず、墨色の力を現す。


「無から有を現せ」


無から有を現す。

墨色の力はドロリと地面に流されていく。

ようにジワリと広がり固体へと変化する。

墨色の固体は赤の瞳の怪物の集まる場所へと飛ばし凝縮させる。

一瞬で逝けるように潰す。

苦しまないように。


容易に倒せた。

島凪はそのことに喜びはない。


増えていくことが分かる。

更に向かってくる。


「また来るりんさ」


群がる存在へ思うことは。


「あなたたちは消えたものを食らう存在。あなたたちが食らうのは躯、心。その理由は」


島凪へ爪が向けられる。

言葉を続ける。


「都合の良い現実へ来たあなたたちは良かったりんさね。きっと、次の世界へ別の者として成りたいものに生まれられるりんさ。それか、永久に眠れる」


島凪の後ろから束状が流れてくる。

島凪を狙っていない。

先に消すべきは赤の怪物。


島凪も、優先は赤の怪物。


束状が怪物を飲み込んでいく。

島凪の後ろから爪は飛び込んで来る。

墨色の力は一線を描いたが急に二又に別れる。

そうして怪物を上から縦方向に二線で頭をザクリと切る。地面に体は落ちず、ザラザラと消える。


島凪と都合の良い現実は消していく。

協力はしていないが、共に戦うように消していく。


「減らないりんさ」


_減らないな。ツミウの邪魔になる。なら。


都合の良い現実は束状の力を下から吹き上げるように現す。


_全部消えろ

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