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現世界 青命屋敷内(ミスハサ)415

現世界

青命屋敷内

ミスハサ


青命屋敷のある部屋の床に時の魔方陣が描かれている場所がある。

床に描かれているのは時式である。


そこには一人誰かが立つ。

ミスハサは長時間この場所にいながら疲れのない表情で前を向く。

ふらつくこともない。

ただ、気にするのは式のみ。

時式のことを考える。


外に誰かがいる。

部屋に入ろうとしている者がいる。


「入ってくる気か」


ミスハサは床の時式に指をつけると。

廊下の者を入れないために力を流す。

白い光の線が部屋の外へと向かう。

それと同時に一言つぶやくと横一線指も滑らせる。



外の者は弾かれただろう。

出来れば破壊してもいいが、抑える。

だが外の者は諦めていない。


ミスハサは時の式がビキッと割れた感覚を感じた。


「…!」


端にいたミカオ、観覧車カンへと割れた影響で時の崩れが二人を狙う。


「…」


ミスハサは無視をしてもよかった。


「みっちゃん!だ、大丈夫だからね!」


ミスハサは気にする必要はなかった。


「みっちゃん!離れないからね!」


ミスハサは場所を動いた。

自然に動いた。

ミカオたちの前に静かに出ると地面に触れた。


割れた場所へ自分の時の力を流し、修復する。


ミスハサは気にしなくてよかった。

ミスハサは無視をしてもよかった。


だが。

カンは何かいおうとしたが。


「あ、」


その行動により、外の者が部屋の中に入る。

それを与えてしまった。

侵入を許してしまった。


扉は開けられ、そこには

現ツミウがまずいる。

先に走ってきたのは青標食。

自分の近くに雷雲を浮かせると。

ミスハサの頭上から狙う。


ミスハサの時式を狙う。

雷雲は時へと向かう。

ミスハサは静かに上を向いた。


「時の式よ。自ら守り抜けるよね?」


時式は自ら何重の線を真っ直ぐに突き出すと雷雲を突き刺し、自らを守る。


「いいね。式だからって守られないよね?」


時式は自ら攻撃を現し雷雲の力を無力化していく。


ミスハサはまだ部屋に入らない女性へ声をかける。


「入らないの?…………それとも入れない?」


現ツミウは部屋に入れない。


「どうしたの?」


部屋のすぐ入口にこの場所を危険にすると判断したら攻撃を起こす力が張られている。

青標食を敵とは認識しなかったことにミスハサは顔には出さず驚いてはいた。


「入らないの?」


現ツミウは考えたが。

彼女は横を向く。

そこから目を離さない。

誰かいるのだろうか。


ミスハサは青標食を見る。


「こんにちわ。名前を教えてもらってもいい?」


_青標食と呼べばいい


ミスハサは自分の紹介もする。


「俺はミスハサ。時の力を持つ者だよ。よろしく」


青標食は返事はなく、白の雷雲を挨拶のように向けた。


_その強大な力。感じてた。壊せば私たちの怒りは収まるはず。そう、動きたい


「不思議だね。何に突き動かされてるのかな」


ミスハサは静かにいう。

青標食は無視せず答える。

このミスハサという者とは話していてなぜか嫌な気持ちがない。

なぜか、このミスハサという者は明るさを感じない。

それが青標食の気持ちを怒らせない。

不思議と。

青標食はだが、攻撃は止めない。

ならばとミスハサを狙う。


白の雷雲を飛ばし、床の時の式を破壊しようとする。

ライゾンフィアの力は強大だ。

だが、時の力は自らを守る。

と同時に何重の線を蜘蛛の巣のように形を変えると青標食を覆おうとする。

青標食は大きな体だが、自分の針金部分を地面に組み自分の体を沈み込ませるようにしたが、それを踏み台にするように空中に飛びだす。


青標食は天井に体を密着させる。そうすると天井に模様が光り出す。

それは。


青標食は、突然爆ぜた。


ミスハサはミカオ、カンの方を向く。


「端の壁に時の守りの術式がある。触れれば攻撃は受けない」


カンはミカオを上に乗せるようにして走り出す。


「ありがとう!このご恩は忘れないよ!」


ミスハサは特に気にしない。

ただ、この部屋にいたとしても、居たからといって傷をつけられる理由はない。

ミスハサはそう考えている。


青標食は海画の力により、傷は受けている。

傷を受けている。

体が下側溶けている。

そこに更に爆ぜたことで針金の腕は破壊されていて破片が落ちている。


「…………まだ動く?」


_動くよ、まだ動く


「そう」


ミスハサの声は本当に心地よく聞こえていた。

だが、白の雷雲は現れ飛んでいく。


時式は守っていたが、白の雷雲は何重の線の奥深くへ潜り込んでいく。

その中の線奥。

一つの線を見つけたようだ。

その線を進むと時の式を破るための亀裂がある。


そこを流れるように小さくなり雷雲は流れていく。


時の式の内部はザクリと裂かれた。

ミスハサは破壊されようとしていても。

焦る顔は見せない。


ミスハサは静かに壁の方へ歩く。

青標食は雷雲を内部に潜り込ませ弱らせたと思った。

ミスハサは壁へと触れる。

ザアッと模様が輝く。


時式が攻撃されることは想定以内。

自ら治療させる能力。

時の治療。


「本当は自分で守ってほしかったけど……」


ミスハサは壁に隠した力を地面へ触れて流す。

時式の奥の線の破壊の時間が止まる。


青標食も冷静だ。

ミスハサが想定内のように、落ち着いている。

雷雲の力は止められた。

だが、時式の力以上に思いの強さがあった。


だから、時の深くへ一つの雷雲は伸びていく。

亀裂を破壊した。


ミスハサはその感覚を感じた。


「…………………壊された」


ミスハサは静かにつぶやいた。

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