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消えた存在に群がる不穏な気配396

かいとは、周りを見た。

暗闇の中、光に包まれている。


「また暗闇?なんで………どこに行けばいいんだろ」


かいとは不安はないが。

それよりも。

メモリーリーンたちはどうなったのか。

無事なのか。

先に思う。


「メモリーリーン………!は!あ、ケガとかしてないか………うう!何でこんなとこに俺いんだよ!」


かいとは動きだす。

そこへ光がかいとの肩に触れる。


「え?何?」


光は流れていく。


「来いってことか?」


かいとは呼ばれるように進む。


その先に進むと桜の花びらが舞う。


かいとは手の平を出すと桜の花が乗る。


「桜………」


かいとは彼女の名前を呼ぶ。


「桜子…………」


裏も表も同じ存在だ。


桜の花びらが舞う暗闇の世界で。


「かいとくん…」


桜の少女の姿が現れた。

彼女は涙は流さず、彼の姿に向かう。


かいとは。


桜の少女に抱きしめられる。


「見つけた………あ、違うの。光がね、私を連れて来てくれたの」


桜の少女は柔らかい笑顔で光へお礼を伝える。

光は周りを漂う。


「連れて来てくれて…ありがとう…」


光が周りに漂う少女がかいとの前にいる。

彼女の名前を呼ぼうとしたが。


「さくら…………」


言葉は途中で止められた気がする。

桜の少女はかいとの手を握ると歩き出す。

急いでいる。


「ごめんね、かいとくん。早く行こう」


「え……………」


桜の少女は出会えたが急いでいた。

焦っている。


「え、と。俺は」


「かいとくんは世界から消えてしまったみたいなの。消えたのにかいとくんはここにいる。だから……」


消えた存在に群がろうとする何かがいる。

消えた存在は不安定。

だから、群がり、喰らおうとするのか。

それとも八つ裂きにでもしようとしているのか。


桜の少女は強さのある精神を持っていることと、存在している。

かいとと繫げられても彼女は離れていたため、存在がある。

けれど、かいとは違う。


この包む光がなければ、かいとは今ここにいない。



ヒタヒタと歩く音がする。

光は桜の少女が来るまではいるようにした。

けれど、光は消えていく。


光はここまで無理をしてでもかいとを守りきったことになる。


その光はどこか不安そうにかいと、桜の少女の周りにいたが、小さくなり消えた。



ヒタヒタとした闇から訪れる者。


暗闇に赤い瞳がバッと現れる。


存在を消された者を引き裂きに来た者がいる。


桜の少女もいるが。


かいとを狙うためなら、恐怖はないようだ。


赤い瞳の怪物。

存在を消された者を食い物にする者が走ってくる。


かいとは赤の力を拳に込めようとしたが………力が、出ない。力が現れない。


「な、何で………!?」


桜の少女は静かに三つの赤の玉を現す。

曲線を作るように力を現すと、怪物を消していく。

が、全ては消せない。


桜の少女は通り過ぎ、かいとを狙う。


_存在ない、食ってもいい、要らない者


_どっちでもいい、要らなくても


_おいしそう、こっち甘い匂いする。強い力、こえーね。でもね、食いたいな


かいとは狙われたが、急に怪物は先に桜の少女へ飛びこもうとする。

かいとはとっさに動く。

守るだけじゃだめだ。

逃げないと。


かいとは桜の少女の手を握る。

走る。


「何なんだ……!」


桜の少女は走りつつ、追いかけて来る怪物へ赤の玉を飛ばし消す。


「存在の消えると食べ者と思うみたい。…………かいとくんは食べさせない」


かいとはとにかく逃げる。

桜の少女の手を握って走る。

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