目が覚めて1
_目が覚めたら、桜子を泣かせてしまった。
泣かせたかったんじゃないのに。
俺は、でも。
「俺は!」
かいとはしゃべろうとすると桜子は怒っているのか_…。
「かいとくん。もし起きなかったらどうしてたの?心配…して…ごめん。私のせい…………………」
桜子はうつむく。
「…………私は、自分のこと…かいとくんにさせたくなかった………でも、でも!私ね!かいとくんは私のそばにいてくれる…そう思ったの…」
「…俺がそうしたかったんだ…桜子とずっと一緒にいたから、俺は…今ここにいられるんだから」
「…私のこと…好きだからじゃないの?…好きだから、そばにいたいから…ここまでしてくれたんじゃないの…?」
「そばにいたい!でも好きはわからない!」
かいとははっきりと言う。
多分かいとはまだ好きとかよくわかってない。
「はっきりしないかいとくんのその女の子への気持ちは最低。でも、そんなかいとくんが私は好き…私はかいとくんを…自分のそばにずっと…」
桜子は自分のせいといおうとした。でも、顔を振る。
「…私のせいとか、私が悪いとか、そういうの言うのって。…そうだね…もういい子みたいなのはやめた方がいいよね」
桜子は目に暗さが混ざる。
「…私は…私ね、かいとくんをずっと私のそばにいてほし…違うね…いさせたい」
桜子はかいとへと近づく。
「いさせたい…本当は誰も見てほしくない…でも、かいとくんが自由になってほしい。でも、私のことを見てほしい…かいとくんのそばにいるのは私だけ…誰にも渡したくない」
かいとは焦る。
桜子が本気の目をしている。
「桜子…!?えっと…」
かいとは、焦って後ろへ下がる。
桜子は膝をついていて、かいとの頬へと手を近づける。
かいとは、頬をふれられ、ビクリとする。
「さく、らこ…えっと…」
「…かいとくんが傷ついたけど…けど……私は…かいとくんを私の近くにいさせたい…私も最低だよ…」
桜子は暗い目をまっすぐにかいとへ向けている。
「かいとくんを傷つけても…私はかいとくんのことが好き……」
少しずつ、近づき………。
かいとは、叫ぶ。
「待ってくれ!桜子!」
そこへ、扉を叩かれる。
桜子はにこりとして、後ろを向く。
かいとは顔がまっ赤なのに。
「どうぞ」
かいとは顔を赤くさせ、助かったと胸の前に手を置く。
「…失礼します」
そこにいたのは悠磨と一緒にいた隼斗という男。
かいとは、起き上がる。
「お前!なんでここに!」
桜子が説明していく。
桜子の話を聞き終わるが、立ち続ける。
_いつの間にか…色々あったようだ。
俺がいない間に。
隼斗と仁はここで住まわせてもらっているとのこと。
隼斗は素直にかいとへと頭を下げる。
「桜子さんを壊すため、あなたたちを傷つけました。本当にすみませんでした」
隼斗は真面目な男のようだ。
本当にそう思っていることが伝わってくる。
_といっても。俺より
「謝るべきなのは桜子に対してだし、悠磨さんはどうなったんだ!?」
隼斗は話していく。
「悠磨さんはここで赤井の主となるために努力していきます」
_俺がいない間に話進みすぎじゃないか?
「今は悠磨さんと仁はいなくて…すみません」
「…一発殴らせろ!桜子に対してあんな攻撃しやがったんだ!悠磨さんを殴らせろ!あとあの仁てやつも!」
かいとはいうと、隼斗は膝をつく。
「…俺を殴ってください」