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戻る現ツミウ330
元の場所へ帰っていく
「ま、だ…………」
息が苦しい
「とお、い」
手を伸ばしても戻れない。
_「あなたは居る苦しみをしっかりと味わうべきですね。青の漂いの方も犠牲にしても今の存在であり続けてくださいね」_
_「都合良くなんてさせませんね。ツミウ。苦しんで苦しむのですね。居るという苦しみの中で存在し続けてくださいね」_
涙が……………
浮かんでいない
やることがある
やってやらないといけない
涙は落とさない
現ツミウは思い出す。
彼女の世界にはもう目的も理由も無いようだった……………
居る苦しみを
自分のことじゃないか
自分へいっていたのだ
似ツミウは
悲しいは尽きない
「…………………………」
現ツミウは息の苦しさよりも
強い瞳をする
「まだ、諦めませんね」
そこへ迫ってくるのは
次に美しい水滴の囲む雷雲
きれい……と現ツミウは感じた
それは割れていき、現ツミウの手の中へ入る。
「何でしょうかね…………」
その力を現ツミウは握り締めた。
「まだ、諦めませんからね」




