似世界 いつき322
似世界
いつき
いつきは一人座っていた。
どこへ行けば分からないのだ。
うつむく。
「兄さん………逃げの間さん……………」
いつきはどこへ行けばいいのか。
一度体育座りをして、やはり下を向く。
「………………………………一人はいいです。………それよりもどうしたらいいのか分からないのです」
考えてみる。
色葉ならどうするのか。
どうするのかな、と思う。
能力のあるなら何でも積極的と思えるが。
それがないので、いつきは座っていた。
「どこへ行き、何をすればいいのか、分からない………」
分からないのだ。
「えーと……………ど、どうしよう……」
いつきはユラユラと動いていた。
いつきは海草の方へ行くと声を出す。
「兄さ…………いやいや、兄さんに頼ってばっかはだめだよ!ここは私が……どうしたらいいんだろ…………」
いつきは膝をつける。
いないと、自分がどうしたらいいか分からないなんて、なんて今まで人任せだったのだろうと痛感した。
「…………でも!ここで何もしないわけには……でも、どうしたら………」
いつきは回りをキョロキョロする。
「自分でどうにかしろって思わないと!今は人任せだめ!えーと、兄さんたち……どこに行ったんだろう…………考えてちゃだめだ、あ、歩いてみよう……」
いつきは一人で歩き出した。




