似世界 都合の良い現実場所281
似世界
都合の良い現実場所
いつき かいと 逃げの間の者
_向かおう。
_かいとの元へ
_行こう
かいとは落ちていく。
その姿を不安な顔をしつつ、他にも起きていることがあり、キョロキョロとしている、いつきがいる。
「兄さん………それにあっちも……」
いつきは今はかいとの方のみを祈ることにする。
どちらも近づいても出来ることはないから。
逃げの間の者はかいとの方へ向かう。
落ちていくかいとへ声をかける。
_かいと!
「え、え、にげのま、」
_大丈夫!何とかする!
逃げの間の者はこの空間そのものに何かを感じた。
海草。
海草に静かに休むものがある。
そこへ言葉をかけた。
_助けても問題ないよね?この人を助けてほしいんだ
絡まる海草は動きだす。
海草はねじるように動くと落ちてくるかいとの真下に位置する。
かいとの腕に巻きつき地面へとポンと落ちた。
「いいい、生きてる………?いき、てる?俺…………ええ」
そこへいつきが来る。
戻る海草へ頭を下げておくとかいとの腕を掴む。
「兄さん兄さん!!危ないからこっち!逃げの間さんありがとうございます!」
_にしても何があって
いつきはかいとを連れて行こうとしたが。
かいとは止まる。
「だめだ。俺はツミウを助けてって、だから」
かいとはいつきの手から離れる。
走っていく。
危険な場所へ向かってしまう。
「兄さん!?まっ、て……」
いつきは手を伸ばす。
が、かいとは行ってしまう。
止められない。
「兄さ」
逃げの間の者はいつきの周りにいた。
_かいと、行っちゃった。いつき何が起きてるの?あれは何?
いつきは一つ下がる。
「…………あの場所に行っても私出来ることないです…………」
_出来ること、何したい?
「え」
_いつきは何かしたいの?
「え…………と」
たしかにいつきのすることはない。
けれど、でも。
「ど、どうしましょうか……」
逃げの間の者は。
_えーと、私はいつきが何かあるとイロノルレフ亜様に怒られる!
「怒るんですか?」
_怒るの
「……………あの、私」
いつきはどうしたいか分からない。
けれど一つだけ思いがある。
「兄さん、危なそうな時、どうにかしたいです」
_それが思い?
「はい。そう思っている私います」
_何かあれば私何かするよ!でも、いつきこそ大丈夫?体力とか
いつきは少し困った顔だ。
「兄さん危なかったり、自分危なかったら……力ください」
_うん、いいよー
いつきは前で起こる光景を今は静かに見つめることにした。




