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似世界 時恋と拓前279

似世界

拓前 時恋


方位磁石の満月は黒緑の刃を飲み込む。

飲み込まれた刃は満月をかみ砕き、二つは絡みつくような姿となり、拓前へ向かう。


そこを氷の結晶が現れ下から飛び出て突き刺す。


透明の輝く結晶は破片としてパラパラと落ちた。


「…………!クロリ………」


時恋はその反応に。

振り返る。

そこにはベール姿の少女がいた。

先ほど気配が消えていたのに。

彼女は最初からそこに在ったようにいる。


「ど、うして、!?気配、消えてた、のに、!?」


笑顔だ。


「僕。クロリネさんと会いたかったのですね。私も一瞬ご用がありました。僕もお会いしたかったです」


時恋は苛立つ。


「会いたく、ない、お前、と、なんて、いたくない、お前、と、同じ、空気、吸いたくない、!!」


クロリネは目元に手を置く。


「悲しいです!僕今悲しいです!時恋さん嫌いではなく好きですよ!?」


「お前、いたくない、顔、見たくない、同じ、場所、いたくない、嫌い、違う、消したい、消したい、!」


クロリネはふふっと笑う。

時恋が可愛らしいなと感じ笑顔となる。


「消えてないですよ?時恋さん」


時恋は急に冷静になる。

静かな表情になる。

息を吸い、吐いた。


「もう騒がない。だって時恋は、すること、ある、」


シルベの姿を思い出す。

方位磁石の満月は黒緑の刃を飲み込む。

飲み込まれた刃は満月をかみ砕き、二つは絡みつくような姿となり、時を混ぜ合わせたような力がクロリネへ向かう。


まず、氷が地面を凍らせる。

相手を凍らせることは出来ない。

地面を凍らせると。

氷の結晶を飛ばす。

時恋の力ではなく、時恋を狙う。


時恋の横を通り過ぎ、当たることはなかった。


「時恋、当たって、いない、クロリネ、」


クロリネへ力は直撃したと思われたが。

その前に拓前が青に包まれた膝を曲げ足の甲横をピタリと当たり押し込むようにする。

拓前は精神的に負けることなく、力を時恋へ蹴り、返す。


時恋は避けることはなく、自身の中へ戻す。


「力、戻して、くれて、ありがとう、」


拓前は焦る顔をする。


「え、え!力、戻ってるし!!」


クロリネは落ち着いていう。


「あ…。時恋さん。力を体に戻してしまうから氷さんたちに力を貸してもらっていたのに…………拓前さん。急に前に飛びだしてなんてことを…………」


拓前は焦る。


「ご、ごめんし!!!」


「いえ。面白くなりましたので感謝の気持ちをお伝えします。ありがとうございます」


「え、え、し………」


時恋はクロリネ、拓前は敵としていたが更にわずらわしい。消したいのに消えない。

しぶとい。


戻った力をもう一度現す。

方位磁石の満月は黒緑の刃を飲み込む。 飲み込まれた刃は満月をかみ砕き、二つは絡みつき時を混ぜた力を現す。

先ほどよりも巨大に。強大に。

出現している。


落ち着いて時恋は力を向ける。


「消えろ、お前ら、」


クロリネは楽しそうにクスクスと笑う。

拓前は青に包まれていても震えはくる。


時恋の後ろに氷の液体が流れるように走る。

時恋の力である黒緑の刃が伸びる。

氷の液体は絡まり潰した。


時恋はいう。


「気づく、ない、思った、?、」


クロリネは自分の頬に手をつけた。


「気づかれましたね」


可愛らしく笑う。

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